あたりまえホンネトーク #05 「みんなでやろう」を本当にみんなでやる方法

情報イノベーション事業部
統合企画センター
統合企画本部
第3部 第2課
加藤 敦朗
× 情報イノベーション事業部
統合企画センター
統合企画本部
第3部 第2課
乙竹 晃子

「この件は、みんなでやりましょう」。会社ではときどき、そんな社内横断プロジェクトが始まる。だが、そのみんなには、本来の仕事がある。みんなは、事業部も職種も働く場所も違ったりする。社内プロジェクトを「誰かの追加の仕事」で終わらせず、「みんなの“自分事”」にするには、どうすればいいのか。
2026年10月に150周年を迎えるDNPで、今まさに進行中の周年プロジェクトを担当する乙竹 晃子と加藤 敦朗。それぞれの道で“あたりまえ”を更新してきた2人が、同じ部署の上司と部下という関係となり、新しい“あたりまえ”をつくろうと挑んでいる。

情報イノベーション事業部 統合企画センター
統合企画本部 第3部 第2課の2人。

加藤 敦朗(かとう あつろう)

長年、DNPのコーポレートコミュニケーション部門で、社内外へ向けて「DNPをどう見せるか」の業務に従事。会社の方針を理解して、クリエイティブや施策に落とし、ステークホルダーに伝えるための一連の力を養う。現在はクライアントを持ち、企業のブランディングや周年事業の実行支援を担当。DNP150周年プロジェクト推進室も兼務する。

×

乙竹 晃子(おとたけ あきこ)

印刷物を中心とした営業を長年にわたり担当。その後、地域創生分野での新規事業開発や、産官学連携の組織への出向で、新たな視点や事業推進力を培う。現在は、企業ブランディングにつながるプロジェクトを企画・推進する部署のマネージャーを務めつつ、DNP150周年プロジェクト推進室も兼務する。

「外から内」の人と、「内から外」の人と

乙竹加藤さんは、私にとって「Mr.DNP」なんですよ。

加藤えっ!? 私は先頭に立つようなタイプではないですよ。

乙竹とにかくDNPへの愛がすごくて、本当によく知っている。長くブランド担当をする中で知識を深め続けて、それを社内外に表現してきている!

加藤入社後ずっと「DNPを社内外へどう見せるか」という仕事をしてきました。関わった企業広告が社外の方に評価されたりすると、大好きなDNPのことが伝わって認められたようで、うれしかったですね。

乙竹ところが入社15年目にして、初めてクライアントワーク(顧客から依頼を受けて行う仕事)の部署へ来たんだよね。

加藤「お金を稼ぐって、こんなに大変なんだ」って。もちろん分かってはいたんです。売上をつくる多くの社員がいるから、自分はスタッフ部門で仕事ができていること。でも実際に体験すると、今まで見えてなかった会社の姿を知ることができました。

乙竹私は逆の動き。ずっとクライアントを持って営業をしていたから、成果はすぐに数字で見えてくるのが、“あたりまえ”。ところが地域創生の新規事業を担当するようになると、成果が数字に現れにくい。「何を基準に頑張ればいいの!?」ってモヤモヤしました。

加藤乙竹さんは、外から内へ。私は、内から外へ。反対方向から、自分の“あたりまえ”を更新してきて、今は同じ部署で、企業のブランディングや周年事業を支援している。

乙竹そんな私たちが、自分たちの会社の150周年事業という、大きな社内プロジェクトを一緒に担当することになった。おもしろいチームだなと思います。

「社員とつくる」は社員の声を聞くことから

加藤

加藤150周年事業のテーマは、とてもシンプルです。

乙竹そう、経営との会話の中で示されたのは、「最も大事にするのは社員だから、『社員と一緒につくる周年』にすること」。その一点だったかな。

加藤その思いを受け取って形にするのが、私たちプロジェクトチームの役割でした。

乙竹「社員とつくる」といっても、DNPには3万6千人以上の社員がいて、事業部も職種も、働く場所や環境も違う。

加藤これは簡単ではないな、と思いましたよね。

乙竹でも、どこでどんな仕事をしている社員にも150周年は同時にやってくる。だったら、それを、みんなが自分たちの会社のことを考える好機にしよう、と。

加藤まずいろいろなアンケートや調査のまとめ直しから始めました。その結果、一番印象的だったのが、DNPには「何かに挑戦したい」と思っている人が9割もいたことと、一方では「現状は、まだまだ挑戦しきれていない、もっと挑戦できる」と思っている人も多かったこと。

乙竹挑戦の意欲はあるんだけど、目の前の仕事に全力で取り組んでいるからこそ、なかなか新しいことに目を向けにくい、取り組むのにハードルが高い…というのはすごく分かる。

加藤このギャップを、周年プロジェクトの活動を通して少しでも埋めたい、と思いました。どうすれば何かに挑戦する後押しをできるのか。みんなで考えて、仮説を立てましたよね。

乙竹でも、それが合っているかどうかは、実際に社員に聞かなければ確かめられない。それに、直接聞いてみたら、アンケートや調査では見えなかった課題があるかもしれない。

加藤そこで、全国でワークショップを行いました。

乙竹ワークショップでは、いきなり「150周年で何をしたいか」「自分たちが変わっていくために何をしたらいいと思うか」を聞くのではなく、20年後のDNPから考えてもらいました。だけど、「20年後のDNPのあるべき姿は?」と聞いても、みんな構えちゃって自分事にならない。

加藤そこで、「20年後、DNPが何かのメディアに取り上げられています。どんなメディアに、どんなタイトルで載っていますか」と。経済ニュース番組と言う人もいれば、女性誌を選ぶ人もいました。

乙竹じゃあ、その女性誌にはDNPのどんな記事が載っているんだろう? そこから話が広がっていくんだよね。

加藤質問してる内容は「20年後のDNPとは?」と同じなんですけどね。

乙竹問い方を変えると、きっと答える人の頭に浮かぶ景色が変わる。

加藤例えば九州エリアといっても、社員の皆さんは、ばらばらの事業分野の、あちこちの拠点から集まっていて、もちろんみんな初対面。朝、集まったときには「今日はいったい、何をする時間なんだろう」って感じの人も、ちらほら。

乙竹でも、終わる頃には「普段は話せない人と話せた」「会社が考える時間をくれて、ありがたかった」と明らかに表情が変わっていく。

加藤社員の皆さんがだんだん盛り上がって、会社のことをさまざまな角度から話し始める様子はうれしかったし、有意義な時間になりましたね。たくさんの話が飛び交う中から、私たちの仮説になかった課題が見えてきたりもしました。

乙竹人が話したくなる問いやきっかけを、どうつくるか、考え抜く。そして、そういう場をつくっていく。それが、私たちの“あたりまえ”になったよね。

「みんなでやる」ために、方法を一つにしない

乙竹

加藤私は長くDNPを外へ伝える仕事をしてきたので、会社をよく知っているつもりでしたけど、全国の社員の声を聞くと、DNPの社員は一つの姿で捉えられないと再認識しました。

乙竹私も。働く環境がここまで多様だとは……。会社支給のスマホやメールアドレスを持たない人もいる。

加藤自分たちにとって“あたりまえ”の情報の受け取り方が、ほかの社員にとって“あたりまえ”とは限らない。でも「社員みんなとつくる」ためには、できるだけ多くの人が、公平に参加できるようにしたい。

乙竹「公平性」の三文字には何度も悩んだよね。

加藤最初の企画だった「150周年記念ロゴマーク」から悩みました。ロゴのアイデアを社員から公募し、選考も社員に投票してもらいましたが、一律のデジタルな方法だけでは、どうしても届かない職種や事業所の社員がいる。用紙を印刷して配り、回収するというアナログな方法も併用して。

乙竹全員に同じ方法を求めることが公平なのではなく、それぞれが参加できる方法を考える。社員に寄り添って、やり方を柔軟に変えればいい、と。

加藤それも学びでした。特にロゴアイデアは国内外から800件以上が集まって、周年プロジェクトへの関心が想像以上に高まっているのを感じました。

一緒に集まるだけが「みんなで参加」じゃない

加藤、乙竹

乙竹次の企画、オンラインすごろく「すごチャレ」では、「周年ロゴ」で得た学び、“みんなに参加してもらいたい時に柔軟にやり方を考える”が活かせたんじゃない?

加藤ええ。こうしたプロジェクトでは、みんなで集まるタイプの企画が多い。だけど、働く環境も時間も違うから、集まりたくても集まれない人もいる。だったら一人でも参加できるものもつくろう、と。

乙竹自分たちがあたりまえと思っている働き方も、それぞれの環境が大きく異なっている中では、あたりまえじゃない。集まって一緒に盛り上がる企画だけでは、本当に“みんな”で盛り上がっているとはいえないんじゃないか。そんなふうに考えて出たアイデアだよね。

加藤スマホでポチッと参加。会社のスマホだけでなく、個人のスマホからでもアクセスできるのがポイント。

乙竹いつでもどこからでも参加できる。ゲーム好きの社員の意見やこだわりをいろいろ取り入れたよね。

加藤ポイントランキングや隠しコード、こだわりました(笑)。でも一番こだわったのは、すごろくの150のマスに合わせたコンテンツです。このゲームを通じて、少しでも会社のことを知り、誇りに思ってもらいたい。そんな思いでつくりました。

乙竹加藤さんは、ゲームにログインしたときに表示される「お知らせ」の原稿も、毎日つくっていたよね。タイムリーな情報を、わかりやすく伝えていた。DNPを本当によく知っている加藤さんならでは。

加藤ワークショップのときに見えてきたのは、「社内には、すでにさまざまな良い制度や施策があり、その周知も進められている。ただ、日々の業務に必要な情報が優先されるなかで、そうした制度や施策の存在や活用方法が、十分に知られていないことがある」という課題。それに、なんとかアプローチしたかったんです。

乙竹それをきっかけに社員同士の会話も生まれてるよね。「すごチャレ」は、全員で同じことをするのが公平、ではなくて、それぞれが参加できる入口をつくることが大事なんだということを、あらためて確信させてくれました。

「で、誰がやるの?」を乗り越えろ

加藤、乙竹

乙竹ワークショップに参加した「プロジェクト協働メンバー」の中から有志のメンバーが、その後エリアごとの企画を進めてくれています。

加藤みなさん本来の仕事をもっていますし、こうした企画進行にも慣れていないメンバーがほとんど。それでも権限や予算を持ってもらい、自分たちで企画を形にしてもらいました。

乙竹往々にして、いいアイデアは出ても、「みんな忙しいし、誰がやるの?」となりがちだから、いかにメンバーに「自分たちの150周年プロジェクトだ」と思ってもらうか。どのエリアのチームも最初はそれぞれに課題がありましたが、旗振り役が出てきて、チームワークが生まれていく。

加藤150周年プロジェクトのメンバーみんなで、応援しつつ、見守りつつ。エリアの皆さんの団結力、底力を感じて、私たちが逆にパワーをもらっています。

乙竹「やってみると面白い」「このメンバーで進めるのが楽しい」「エリアに誇りを持てる」と変わっていく様子が伝わってきた。それぞれ、地域のお祭りに参加したり、自分たちでエリアの歌を作ったり、アーティストとコラボしてみんなでアート作品を制作したり。私たちの想像以上の企画が実現して。

加藤実際にやってみることで「前例にとらわれずに挑戦していいんだ!」「部門を越えて力を合わせると大きなことができるんだ!」とメンバーが体感してくれているようで、うれしいなあ。

「I love DNP」に、やられました

加藤、乙竹

加藤150周年のキービジュアル風の記念写真を、社員みんなで撮影する企画を国内外で実施しました。通称「フォトチャレ」。各国のグループ会社を含めて、予想以上にたくさん届きましたね。

乙竹海外のさまざまなグループ会社から届いた集合写真には、みんな笑顔で集まって「I love DNP」と掲げた人たちや、工場で人文字の「150」の形をつくった人たちも。見ていてホント泣きそうになって……。

加藤乙竹さんは下戸なのに、「この写真を見ながらなら飲める」と(笑)。

乙竹150周年プロジェクトからの呼びかけに、こんなにたくさんの方たちが愛を届けてくれる。それは海外からも伝わってきて、これぞオールDNPだな、と。胸が熱くなりました。

加藤乙竹さんは営業からブランディング業務に移ったときに、成果が見えにくいって悩んでましたけど、こういう写真を見ると、目に見えるものがありますね(笑)。

乙竹人と人がつながる意味と、その大切さを、今回の150周年を通じて、日々しっかりと感じさせてもらっています。会社は人がつくっていて、人を動かすのは人。DNPが掲げる『対話と協働』は簡単ではないけれど、とても大きな意味がある。それを“あたりまえ”にすることが、私のテーマなのだと感じています。

加藤私はDNPが大好きなので、みんなにもDNPをもっと好きになってもらいたい。150周年のタイミングで実施した「100年以上続く長寿企業の経営実態」の調査※では、「理念やビジョンを日々の業務へ浸透させることが、企業の成長の原動力になる」という分析があります。会社の理念を自分事にできれば、会社も自分も成長できる。それを“あたりまえ”にしたいです!
※【調査】314社のデータから読み解く、100年超企業の「変わり続ける力」|150周年の取り組み|150周年スペシャルサイト│DNP 大日本印刷株式会社

乙竹さすが、Mr.DNP(笑)。この150周年というまたとないタイミングで、DNPのこと、DNP社員のことを、こんなにも考える機会を一緒に持つことができて、うれしいです!