DNPの基盤技術

DNPは創業以来、社会のニーズに応える製品やサービスを開発し、提供し続ける中で培われた幅広い技術を有しています。印刷プロセスから生まれたDNP独自の技術に最新の技術を加え、それぞれを高度化して掛け合わせることでDNPの基盤技術を発展させています。

基盤技術の体系を表した図です。DNPには応用・結合が可能な基盤技術があります。情報を取り扱う中で発展した、「企画」、「設計」、「情報処理」。印刷技術から発展した「微細加工」、「精密塗工」、「後加工」。それらを支える「材料開発」、「評価・解析」があります。

情報(Information)技術

企画

「何のために、何をつくるのか」そもそもを考え、 対話を通じてプロジェクトを推進する技術

本の印刷プロセス例

企画する

掲載内容やターゲットに応じて、色数や版形、紙の種類や厚さ、印刷方式や使用する生産ラインの選定、納品までのスケジュールやコストなどを算出します。最も効率的で効果的な方法を提案し、入稿する原稿や素材を整えます。

この印刷プロセスで使われている技術

出版ソリューション

紙、電子、ネットなど、あらゆるメディアから最適なコンテンツを選定し、静止画、動画、CG、AR/VRなど、効果的な表現方法の提案ができる。

出版ソリューション

ブランディングデザイン

企業や製品の調査から、経営における強み・弱みを洗い出し、目指すべき姿を提案。

ブランディングデザイン

セールスプロモーション

マーケティングリサーチから各種プロモーションツールの企画、制作、納入、効果測定まで、トータルな設計・実行が可能。

セールスプロモーション

設計

「どのようにつくるのか」実現に向けて堅牢・精緻な設計を行う技術

本の印刷プロセス例

設計する

造本設計と呼ばれるこの工程は本文と表紙の2つに分けられ、本の大きさやどのような表紙にするか、本文の書体やページ数など企画段階で検討した本のイメージを具体的にします。

この印刷プロセスで使われている技術

パッケージデザイン

「人にやさしく、製品にやさしく、地球にやさしく」を目指し、ものを包むことに関する研究開発、商品企画・デザイン、用途開発などを行っている。

パッケージデザイン

住空間デザイン

住宅、オフィスや医療施設、自動車や鉄道車両などの内外装材の製造実績から、快適な「空間」づくりのための多様な製品・サービスへと展開。

住空間デザイン

光学設計

光の進む方向や色を精密にコントロールし、製品の機能を引き出す。製品の表面形状や層構成を、製造工程の誤差を含めて、マイクロメートル、ナノメートルオーダーでコントロールする技術。

光学設計

情報処理

あらゆる情報を「安全に」収集・整理・分析・加工し、新たな付加価値と活用方法を生み出す技術

情報処理:成り立ちと発展

本の印刷プロセス例

情報を処理する

文字・写真原稿の整理やデザイン、レイアウト、編集作業を行います。使用する写真や図柄の色の調整や不要部分の削除といった、画像の処理もこの段階で行います。原稿をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に分解するなど、印刷製造前の準備作業で、前工程とも言います。

印刷(Printing)技術

微細加工

金属、ガラス、樹脂などの基材に高精度・緻密な加工を行い、目的の実現に必要な効果・機能を付与する技術

微細加工:成り立ちと発展

本の印刷プロセス例

製版・刷版をつくる

デジタル化の進展にともない、原稿の直接出力印刷もひとつの方法となってきましたが、大量部数を印刷するにあたっては、印刷機にセットする刷版を作成します。この刷版は、印刷方式ごとに異なります。刷版の作成でもワークステーションから直接出力する方法もあたりまえになってきました。一般的には刷版をつくるために一旦フィルム状の原稿を作成しますが、これを製版と言います。

腐蝕によるグラビア製版

精密塗工

紙・樹脂・金属・ガラスなどの基材表面に、単層あるいは多層でさまざまな材料の塗布膜を均質・均一に形成する技術

精密塗工:成り立ちと発展

本の印刷プロセス例

印刷する

刷版にインキをつけ、紙やフィルムなどに薄く均一に塗布します。印刷の方式としては、凸版印刷、平版印刷(オフセット印刷)、凹版印刷(グラビア印刷)のほか、孔版印刷(シルク印刷)、デジタル印刷(ダイレクト出力)などがあり、刷版がそれぞれ異なります。

主な印刷方式

凸版印刷

版の凸状になった部分にインキを塗布し、直接印刷する。主に書籍やコミック誌に使われる。

オフセット印刷

水と油の反発する性質を利用し、油性インキで一旦ゴムブランケットに転写し、間接印刷する。主に雑誌やポスターなどのカラー印刷に使われる。

グラビア印刷

版の凹状になった部分にインキを塗布し、印刷したい文字や絵柄以外の部分のインキをブレードでかきとる。圧力をかけて凹部に残ったインキを紙などに直接印刷する。濃淡などの細かい調子がよく出るため、主に写真の印刷に適している。

後加工

製品の使用環境や目的に合わせて必要な安全性・耐久性・利便性を実現するための技術

後加工:成り立ちと発展

本の印刷プロセス例

製本・加工を行う

複数のページが印刷された大きなシートをページ順になるように折り、重ねて綴じます。その後、余分な部分を断裁して、形を整えます。趣向を凝らした表紙をつける上製本などの場合は、本文の断裁の後でくるむこともあります。用途にあわせ、機能を持たせた形に加工します。

印刷した紙を重ね綴じて、本の形にする

折り・丁合

印刷された紙を折り、ページ順にまとめる。

中綴じ
無線綴じ

綴じ

丁合したものを綴じ、表紙をつける。

断裁

仕上がり寸法にあわせて三方を正確に断裁する。

材料開発、評価・解析

材料開発

新たな材料を合成あるいは分散・混合する技術であり、インクや接着剤、感光性材料、コーティング材料などを設計・製作する技術

この印刷プロセスで使われている技術

色材・感光材

色を表現するための材料や、光がつくる像や影を固定するための材料。ミクロン単位の精度が要求されるフォトリソグラフィーなどでも利用できるように高精度な加工をしている。

色材・感光材

高分子材料

金属、セラミックスなどのような無機と並んで、日々の生活で重要な役割を果たしている材料のひとつが高分子材料。プラスチックや繊維などに代表される。

高分子材料

有機合成技術

有機材料を合成し、各種製品に適した材料にするための技術。機能性コーティング材料、最先端フォトマスク用レジスト剤、医薬品の原薬材料などを作っている。

有機合成技術

分散/配合技術

材料の性能を左右する重要な技術。素材が持つ機能が高いパフォーマンスを発揮するための原材料成分の配合を設計し、その材料をムラなく均一に分散させることで安定した品質を確保している。

分散/配合技術

評価・解析

ナノレベルの精度が求められるエレクトロニクス部材の製品保証や歩留まりを上げるための欠陥修正にも欠かせない技術

この印刷プロセスで使われている技術

解析設計

評価方法や分析装置、処理システムの組み立てなどを最適化した設計を行う。いかに迅速かつ正確に結果を出せるかがカギ。

解析設計

分析技術

高度で先端的な分析機器を駆使して成分の構造などを解析する技術。DNPでは大規模な評価・解析センターを設置してこれに対応している。

分析技術

シミュレーション技術

生産ライン上の材料や気流の挙動などを目的に応じてデータベース化・分析し、ライン動作の結果や、製品・材料の性能、品質を予測する技術。これにより、高品質な材料の設計や、効率的で安定した生産ラインの設計を最適化する。

シミュレーション技術

データベース解析技術

各種分析機器で解析したデータと、自社で保有する分析データベースを照らしあわせ、短時間で高精度に製品欠陥などを特定している。

データベース解析技術

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