トップメッセージ

代表取締役社長 北島義斉
「より良い未来」の実現に向けて、変革をさらに加速させます。
「未来のあたりまえをつくる。」ための取り組みを加速
DNPグループは「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」ことを企業理念に掲げ、持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしの実現に努めています。そして社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出し、その価値を人々の身近に常に存在する「あたりまえ」のものにすることに注力しています。こうした私たちの志を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントで広く表明しています。
現在は、「経営の基本方針」として、長期を見据え、私たち自身が「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開することを宣言し、中期経営計画を推進しています。この計画では、事業戦略・財務戦略・非財務戦略に基づく具体的な取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に努め、「ROE10%」と「PBR1.0倍超の早期実現」をめざしています。
変化を先取りし、課題を発見し、新たな価値を生む
DNPグループがサステナブルに成長していくためには、経営基盤を着実に強化しながら、新たな価値を継続的に創出していくことが不可欠です。そのために私たちは、事業活動に関わる環境・社会・経済の課題を抽出し、リスクの影響を最小限に抑えるとともに、事業機会へと転換することで、中長期的な経営戦略に反映しています。こうしたリスクと機会の評価・分析をもとに、私たちが描く4つの「より良い社会」を自ら実現していくために、優先的に取り組むべき重要課題として「マテリアリティ」を特定しています。
これに基づき、2025年には「事業活動におけるマテリアリティ(重要課題)」として、グローバルかつ長期的な視点で優先的に創出すべき価値を明確にしました。変化が加速する世界の市場環境においても、その兆しをいち早く捉え、戦略的に対応するとともに自らが変化を起こして、企業としての競争力と持続性を高めていきます。
ステークホルダーとの「対話と協働」による「第三の創業」の実現
DNPグループは、2026年に創業150周年を迎えます。
前身の秀英舎と日清印刷はそれぞれ1876年と1907年に創業し、1935年に合併して大日本印刷株式会社となりました。戦後は一時、経営的にも厳しい状況にありましたが、1951年に「再建5か年計画」を掲げ、印刷技術を応用・発展させて事業領域を拡大する「拡印刷」を推進しました。その結果、現在の三つの事業セグメントにつながる製品やサービスを生み出し、世界最大規模の総合印刷会社となりました。この変革を私たちは「第二の創業」と呼んでいます。
この時期は主に、顧客ニーズにこたえることで、新たな価値を生み出してきましたが、現在、国内外で大きな変化が続くなかでは、DNP自身が直接、社会と生活者に向き合っていくことが重要です。DNPが主体となって、社会の課題と人々の期待を的確に捉えることで、「未来のあたりまえ」をつくり出していきます。従来の「得意先課題の解決」から大きく踏み出して、「DNP自身が未来をより良いものにしていく」という大きな変革を「第三の創業」と捉え、その達成に取り組んでいます。
DNPグループには、常に挑戦する企業文化があります。独自の「P&I」(印刷と情報:Printing & Information)の強みを掛け合わせ、多くのパートナーとの連携をさらに深めて、事業ビジョンに掲げる「P&Iイノベーション」を推進します。
多くの機会でステークホルダーの皆様との「対話」を深め、パートナーシップを強化して、価値創出のための「協働=コラボレーション」を加速させています。人々が安心して、安全かつ健康で心豊かに暮らせる持続可能な社会の実現に挑戦していきます。
2025年10月
代表取締役社長北島義斉