井村屋グループ株式会社様

売上回復時にこそリサーチ情報が強い武器に!
苦戦していた現地からの情報収集が、伴走型によって解決

1896年の創業以来、菓子事業を中心に幅広く事業展開する井村屋様。井村屋グループは海外展開にも力を入れ、中国・アメリカ・マレーシアに拠点をもち、約40の地域に製品を届けています。
今回は、10年以上香港で販売を続けている冷蔵商品の売上回復を図るため「DNPアジアマーケティングリサーチ」をご活用いただきました。
(2025年7月公開)

取材協力

<プロフィール>
井村屋グループ株式会社 海外貿易室
山口様
営業部門にてリーダーを務める。今回の調査対象地域(香港)の窓口を担当。
三村様
SCM(サプライチェーンマネジメント)チーム所属。主に物流を担当。
佐藤様
欧州・中東エリアの営業を担当。輸出用商品の開発業務も担う。

写真左:山口様
写真右:三村様

現地での販売課題とリサーチ導入の背景

現地からの情報収集に苦戦。見えなかった売上低迷の打開策

―貴社では、これまでどのようなマーケティングリサーチを実施していましたか?
(山口様)これまでは、私たち社員による現地視察や、金融機関などから得られるマクロデータなどを活用してきました。国によっては、現地パートナー企業に情報収集を依頼することもあります。しかし、パートナー企業経由ではこちらの要望が上手に伝えきれなかったり、時には彼らのバイアスがかかった情報になってしまったりすることもあります。とはいえ、私たちが2〜3日で行う現地視察では十分な情報も得られません。つまり、現地の経済動向などについては概ね把握できるけれども、実際に現地で生活する消費者はどういった消費行動をとっているのか、深掘りができていなかったのです。これまでのリサーチ手法は、売上が伸びている間は大きな問題にはなりませんでした。しかし、売上が低迷したときに情報の少なさゆえに、有効な打開策がとれず、当社としてもマーケティングリサーチの手法に課題を感じていました。

導入の決め手は現地「生の声」と現地「視点」

―「DNPアジアマーケティングリサーチ」利用の決め手は何でしたか?
(山口様)決め手は、現地出身の留学生がリサーチャーになるということで、消費者の生の声が聞けるという点です。現地出身者ならではの情報収集の仕方で、より消費者目線に近い声や新鮮な情報を得られるというのは、大きな魅力だなと感じました。
(三村様)こちらの要望をDNPさんが的確に汲み取って、齟齬のない方向性でご提案いただけたことも大きかったと思います。こちらの要望としては、既存の情報に加えて、私たちが現地視察で収集している情報が、仮説を立てるうえで間違えていなかったかを、裏打ちできるデータで確かめたいということがありました。実際に、これらをしっかりと踏まえたリサーチ内容になっていたと思います。
(佐藤様)営業としては、どういう人がどういう売り場で購入しているのかといった、具体的な情報を得られるとすれば、とても学びになると思いました。普段から数値化や集約化された情報に触れる機会はありますが、実際の消費行動を知る機会はほとんどありませんでしたので。

リサーチを通じて得られた効果

消費者行動の可視化が新たな一手のきっかけに

―リサーチによってどういった成果が得られましたか?
(山口様)成果といいますか、サービスを利用して良かった点としては、全体的なマクロデータを改めて整理してもらえたことです。現地で展開している小売チェーン店の特徴や店舗数を整理できたということと、消費行動の変化の理由もデータをもって理解できました。特に、現地で起きている消費行動のトレンドの変化については、新しい視点をもらえたと思っています。例えば、売上低迷の原因を、消費者の低価格志向が強まったためと考えていたのが、利便性や商品価値を重視する消費者心理が影響している可能性が見えてきたことなどです。これは、今後の展開の大きなヒントになると思います。
(三村様)私は、マクロデータ上で得られた兆候とは別に、実生活にもとづいた消費行動について知ることができたのが、一つの大きな成果だったと思います。具体的には、リサーチャーとのインタビューの際に、彼女のお母様がどういった消費行動をしているかといった話を聞けました。また、リサーチでは、スーパーマーケットを主な調査対象としながら、スーパー各社が運営するECサイトについても触れられており、非常に参考になっています。これにより、店舗数からでは見えない販路の可能性についても深掘りできたと思います。
(佐藤様)開発面では、競合他社の商品リストや店舗の詳細な情報が、今後の商品開発に生かせると思っています。これらのデータがあることで、開発をより説得力をもって推進できます。ここまで詳細なデータはなかなか手に入らないので、非常に有益だと思いました。

報告のスピード感と質の高さに驚き!そして伴走型のサポートに満足!

―レポート内容や調査報告のスピード感はご満足いただけましたか?
(山口様)はい。非常に満足しています。むしろ、どうやってリサーチしているのかと、感心するばかりでした。レポートは英語でまとめられているので、データを抜粋して海外企業様に資料として渡す際にも手間がかかりません。内容についても、競合他社の商品をリスト化し、定価と特売価格を整理してくれるなど、詳細に詰めていただけました。これまで、感覚的に把握できていると思っていたものも、整理した情報をみると理解が不十分な部分もあり、改めて理解を深める機会になったと思います。

調査報告も週次でいただき、かなりスピード感がある対応をいただけたなという感想です。業務に追われていると1週間はあっという間で、もう次のレポートをいただけたのかという印象でした。正直なところ、レポートを読み込み、メールの返信をするまでに2〜3日かかっていたため、もう少し余裕があれば、より落ち着いて質問できたかもしれません。有益だったのは、調査の項目追加や、深掘りを逐次依頼できたことです。特に、DNPさんがリサーチャーとの仲介をしてくださったことが、スムーズなコミュニケーションにつながりました。こちらの説明不足な点を補足してくれたり、調査の方向性がずれないように交通整理をしてくれたりと、まさに「伴走型」のサポートを受けられたと思います。

今後に向けた展望と要望

今後は一歩踏み込んだ対話の機会が導く新たな視点に期待

当サービスに対してご要望があればお聞かせください。
(山口様)そうですね、さらにもう一段階上のレイヤーになるのかも知れませんが、実際に商品を試した感想などが聞けるといいなと思います。一方で、自分たちでは見えていなかったチャネル展開の部分など、異なる視点でさまざまなご意見をいただけたのは、予想以上のことでした。
(三村様)私も、山口同様、商品を試していただいた現地の方の感想などを、聞いてみたいと思いました。今こうして話していても、私たちが本当に求めているのは、消費者の生の情報だと改めて実感します。私たちにとっては、マクロ情報とそれに付随する説明に加えて、現地の方とのコミュニケーションで疑問を深掘りしたり、消費者の本音を聞けたりすることがさらに重要なのです。そのため今回、サービス内にリサーチャーとコミュニケーションを取れる機会があることは情報の深掘りのひとつの手段だったと実感しました。

データを新たな販売チャネル戦略へ活用して売上拡大を目指す!

―今回のリサーチ結果をどのように活用していきたいですか?
(山口様)今回の調査で、現地で伸びている新たな販売チャネルを認識できました。今後はその調査内容をもって、現地のパートナーさんと一緒に当社製品の販売チャネルの拡大も、模索できればと思っています。
(三村様)当社の強みは、現地の小売業者様と直接取引ができる環境にあることです。その強みを生かして、製品のプライベートブランド化の提案など、積極的に行っていきたいと思います。そのときに活用できるのが今回の資料です。当社製品の認知状況を客観的に把握することで、より効果的な販売戦略につなげられると考えています。
(佐藤様)今回はすでに販売実績のある国の製品について、売上拡大のための調査を行なっていただきましたが、私は、この知見を新規進出時にも生かせると思っています。ゼロから築く売り場では、何からどう始めていいかわからないことも少なくありません。しかし、今回のように現地の方からの情報があれば、より進めやすくなるはずです。今後は、この経験を他の国での展開にも役立てていきたいと思います。

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