森永乳業株式会社様

「DNPアジアマーケティングリサーチ」と共に現地の「あたりまえ」を可視化! 難航していたクローズドな環境の情報収集が可能に

「私たちの知見やソリューションは、アジア諸国の課題解決にも貢献できるはず」 そう語るのは、森永乳業株式会社の早川様。高齢化先進国の日本で、早くから食事や栄養問題に取り組んできた同社は、日本の軌跡を辿るアジア諸国への貢献に目を向けています。
今回は、研究部門のみなさまに「DNPアジアマーケティングリサーチ」をご活用いただきました。研究部門がなぜマーケティングリサーチを行ったのか、そして、なぜDNPのサービスを選んでいただいたのか、早川様に詳しく伺いました。
(2025年7月公開)

取材協力

<プロフィール>
森永乳業株式会社 研究本部
健康栄養科学研究所
早川 様

リサーチで抱えていた課題と依頼背景

クローズドな環境で、難航していた顧客ニーズの把握

―まず、貴部署のご紹介をお願いします。
はい。私ども森永乳業は「かがやく“笑顔”のために」をコーポレートスローガンに掲げ、乳で培った技術を活かし、私たちならではの商品をお届けすることで健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくることをめざしています。私どもが所属する健康栄養科学研究所では、育児用ミルク、妊産婦向け食品のほか医療・介護施設やご家庭でお使いいただく流動食、栄養補助食品など、赤ちゃんから高齢者に至るライフサイクルのあらゆるシーンをサポートする栄養食品の研究開発を行っています。その中で私が担当している研究テーマは、硬さや柔らかさといった食品の形態を調整し、例えば飲み込む力が弱ってきたご高齢の方でも安心しておいしく栄養や水分を摂っていただくことです。それは患者様やそのご家族の方々の健やかで“笑顔”あふれる生活に貢献することになります。


―ご依頼いただいた経緯と、調査内容についてお聞かせください。
お願いした調査は、東南アジア1カ国の病院給食事情についてです。弊社では育児用ミルクの海外展開の実績がありますが、東南アジア諸国では今後高齢化が加速すると予想されるなかで、私どもとしましては高齢課題先進国である日本国内で培った流動食や栄養補助食品などの経験は海外の方々の健康課題の解決にお役に立てると考えます。しかし、日本で実績のある医療食・介護食であっても海外のお客様に提案する際には利用シーンに合わせた具体的な説明が不可欠です。とくに医療機関で提供される食事は患者様の栄養を考えて用意されていますので、しっかり食べていただかないことには話になりません。そこで現地の食文化や食生活の理解、病院給食の実態把握の必要性を考えていたタイミングで、偶然「DNPアジアマーケティングリサーチ」のサービス案内を見かけまして問い合わせさせていただいたという経緯です。

営業的発想とは異なる市場リサーチが必要

―研究部門でのマーケティングリサーチはどういった理由で行われたのでしょうか?
営業部門やマーケティング部門が行うリサーチと、私ども研究視点でのリサーチでは目的が異なります。事業を発展・継続したいという思いは、私ども研究部門も同じですが、医療現場で利用いただく栄養食品の場合には、科学的根拠(エビデンス)に基づく説明が重要となります。すなわち、患者様の体調や体質、栄養状態といった健康課題に関する学術的理解と、それを解決する当該栄養食品のメリットや留意点などに関する適切なソリューション提案です。このような医学・栄養学的な専門情報を医療関係者に提供するためには、私ども専門職種による科学的な調査が欠かせないと考えます。

DNPアジアマーケットリサーチを依頼した決め手

現地出身リサーチャーの起用で、現地のリアルな情報に辿り着ける期待感

―このサービスを選んでいただいた決め手は何でしたか?
現地出身の方がリサーチャーに加わってくださる点が本サービスの利用を決める上で大きかったと思います。先に触れたように、私どもは医療機関で提供される食事を理解する際には現地の食文化や食生活を理解することが重要と考えていました。そのため、いわゆるデスクトップ調査によるマーケティングリサーチも俯瞰的に情報を収集する意味で大変有用なのですが、それだけでなく現地の生活実態に近いリアルな情報に触れられるのは魅力的に感じました。

依頼にあたり懸念したこと

馴染みのない分野の調査と情報管理

―ご依頼いただくにあたり、ご不安なことなどはありましたか?
そうですね。今思えば当初不安に感じたことはどれも杞憂でした。強いて言えば今回私どもから依頼させていただいたテーマが病院給食という特殊な内容でしたので、専門分野が異なるリサーチャーの方々に私どもの調査の意図をどのように伝えればよいのかに不安はありました。しかし、事前打ち合わせの段階からDNPの皆様には一つひとつ丁寧に弊社側のリクエストに寄り添っていただき、メールのやり取りや中間報告など相互にコミュニケーションを重ねるうちにその不安は自然と解消したように思います。このほか情報管理面についても適切にご対応いただきました。

DNPアジアマーケットリサーチのメリット

現地の生活に即した情報を短期間で大量に収集!

―当サービスを利用してメリットに感じたことは何ですか?
想定していたよりも、多くの情報を集めてくださったリサーチ力です。現地出身のリサーチャーならではの視点はとても興味深く感じましたし、私どもが知りたかった現地情報を分かりやすくレビューとしてまとめていただけたのも大変助かりました。今回のような現地調査を自前で実施しようとすると、まずは言語の壁を乗り越えなくてはいけませんが、DNPアジアマーケットリサーチサービスを利用させていただきまして、調査期間がごく短かったにも関わらず得られた情報の量・質にとても満足しています。また本サービスの特長となっている現地出身のリサーチャーの多彩なキャリア、専門性、情報リテラシーの高さは素晴らしいと感じました。

「伴走型」で、リサーチに不慣れでも必要な情報を絞れた

―伴走型によるリサーチ手法は有益でしたか?
はい。私たちの部署は研究部門なので、基本的に市場リサーチといったことに不慣れです。国内での情報収集は研究者自身が行なっており、外部にお願いする機会はありません。さらに、今回は現地の食文化や医療事情のアウトラインのリサーチという未経験の内容で、すべてが手探りの状況でした。そうした事情をDNPさんは理解してくださり、必要な要素を整理して、調査要件を定義してくださいました。通常のマーケティングリサーチとは目的が異なる中で、私たちが知りたい情報に辿り着けるように、うまく寄り添ってくださったと思います。また、一度の報告で終わるのではなく、週次の報告で項目を追加できたり、調査の方向性を変えたりできる柔軟性も非常によかった部分です。特に、今回は専門的知識が必要だったため、中間報告の際にこちらから要望を伝えられたことで、より実りの多いリサーチになりました。

リサーチ結果の評価と今後の展望

リサーチと研究のPDCAを回してさらなるステップアップを!

―今回のリサーチ結果の評価と、今後の活用法についてお聞かせください。
研究開発の土台となる情報を収集できたという意味では、一定水準以上の情報が得られたと思います。ただ、今回の調査で、研究に進むためのすべての情報が充足できたとは思いません。やはり、専門的な調査内容であったということもあり、もっと解像度高く調査したいという思いもあります。まずはこれをファーストステップとして、次のステップでは、具体的な研究に必要な情報を精査していくことになるでしょう。今回の調査をもとに研究を設計し、その設計をもとに次の調査を行う。そういった感じでPDCAを回していくことが重要であり、今後はそのように進めていければと思います。

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