キャラクターを活かすコンテンツビジネスの成功戦略|収益モデル・ライセンス・事例で学ぶ

コンテンツビジネスは、キャラクターや映像・音楽などのIPを活用し、商品やサービスを通じて価値を生み出す取り組みです。デジタル技術やSNSの普及により、低コストで展開できる環境が整い、市場は急速に拡大しています。 なかでもキャラクターは、視覚的・感情的な訴求力を持つIPとして、ブランドの世界観を伝える重要な資産です。本記事では、キャラクターを活かしたコンテンツビジネスに焦点を当て、DNPが提供する写Goo!®やコンテンツラッシュ®の活用事例のほか、収益モデルやライセンス戦略などを通じた成功の秘訣を解説します。

2025年8月8日 公開

目次

コンテンツビジネスのイメージ

事例でわかる!DNPのキャラクタービジネス活用術

DNPでは、キャラクターやコンテンツの魅力を最大限に引き出すフォトソリューションを提供しています。キャラクタービジネスの活用事例として、ファンとキャラクターの特別な瞬間を形にするDNPの取り組みをご紹介します。

写Goo!を用いた英霊召喚フォトスタジオの様子

FGO PROJECT主催の周年イベント「Fate/Grand Order Fes. 2022 ~7th Anniversary~」では、DNP記念撮影フォトブース「写Goo!」とのコラボレーションを実施。来場者が好きな英霊(キャラクター)と一緒に撮影できる体験を提供し、ゲームの世界観にマッチした演出が来場者から好評を得ました。2日間で約16,000人が来場し、多くのファンが写Goo!を利用。イベントの盛り上げやSNSでの拡散にも貢献しました。

「トランスフォーマー博2024」でのコンテンツラッシュ設置の様子

イベント「トランスフォーマー博2024」では、DNPが提供する「コンテンツラッシュ」(セルフブロマイド販売機)を活用して会場限定のブロマイドを販売。40周年を記念した特別デザインで『トランスフォーマー』の世界観を表現し、来場者から好評を得ました。購入率も高く、イベント主催者からも高評価を獲得しています。

「あっとほぉーむカフェ」でのコンテンツラッシュ設置の様子

秋葉原にあるメイドカフェ「あっとほぉーむカフェ」では、DNPの「コンテンツラッシュ」(セルフブロマイド販売機)を導入。新店舗でのばら売りブロマイドを機器販売に切り替えることで、在庫管理の効率化と販売機会の拡大を実現しました。若年層や新規ファンの購入が増え、売上向上にも貢献しています。

キャラクタービジネスの魅力と可能性

キャラクタービジネスは、単なる装飾やマスコットにとどまらず、ブランドの世界観を視覚的・感情的に伝える強力なマーケティング手段です。ファンとの継続的な接点を生み出し、企業や商品の印象を深く浸透させることで、商品に興味がない層にも購買行動を促す力を持っています。さらに、キャラクターは商品やサービスの枠を超えて、メディアやイベント、SNSなど多様なチャネルで展開できる拡張性を備えており、ビジネスの可能性を大きく広げる存在です。

キャラクターの活用には、以下のような強みがあります。

ビジネスのハードルが低い

キャラクターを軸にすることで、コンテンツやプロモーションの方向性に一貫性を持たせることができます。これにより、ユーザーにとって理解しやすく、受け入れられやすい設計が可能になります。

多チャネル展開による拡張性

グッズ、ゲーム、アニメ、イベントなど、メディアミックスによる多面的な展開が可能です。パッケージ掲載からデジタル展開まで、幅広いチャネルで活用でき、接触機会を増やしてブランド価値を高めることができます。

広告塔としての機能

キャラクターの個性と認知度が高まることで、企業の象徴として活用でき、ブランドイメージの浸透にも貢献します。

キャラクター活用で収益を生む3つのモデル

キャラクターを活用したコンテンツビジネスでは、収益化の方法が多岐にわたります。単にグッズを販売するだけでなく、広告やプロモーションでの活用、ライセンス提供など、さまざまな形で価値を生み出すことが可能です。ここでは、キャラクタービジネスにおける代表的な3つの収益モデルをご紹介します。

キャラクタービジネスの3つの収益モデルの図

これらのモデルを組み合わせることで、持続的かつ多面的な収益化が実現できます。

キャラクタービジネスを成功させる5つのポイント

コンテンツビジネスを成功させるには、以下の5つの視点が重要です。

キャラクタービジネスを成功させる5つのポイントの図

(1)明確なターゲット設定

誰に届けたいかを明確にすることで、企画の方向性が定まり、刺さるコンテンツが生まれます。具体的なペルソナ設計と、アンケートやSNS分析などによるニーズ把握が有効です。

(2)継続的なコンテンツ更新

一度作って終わりではなく、価値ある情報を定期的に追加・リライトすることで、ファンとの関係性を維持し、質の高いコンテンツを保ちます。

(3)SNSやUGCの活用

SNSでの発信や、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を促す仕掛けは、ファンとの双方向コミュニケーションを生み出します。ハッシュタグキャンペーンや、ユーザー参加型の投稿企画を通じて、自発的な発信を促すことが重要です。UGCはファンの熱量を可視化し、拡散力を持つマーケティング資産になります。

(4)収益化導線の設計

まずは無料で価値あるコンテンツや体験を提供し、ファンとの信頼関係を築いた上で、有料コンテンツやグッズ販売へと自然に誘導。
企業側は、無料コンテンツ内に「限定アイテムの案内」「イベント参加の優待」「購入者限定の特典」などを組み込むことで、ユーザーの関心を段階的に高めることができます。

(5)多チャネル展開による価値最大化

商品、広告、イベント、SNSなど複数チャネルでキャラクターを展開することで、接触機会を増やし、認知度とブランドイメージを高めます。ターゲットに応じたチャネルを選定して展開することで、キャラクターの世界観を効果的に伝え、価値最大化につながります。

キャラクタービジネスで失敗しないための注意点

キャラクタービジネスを安定的かつ継続的に展開するためには、魅力や収益性だけでなく、リスクへの備えも欠かせません。特に「法務」「ブランド」「運用」の3つの視点から、事前に注意すべきポイントを押さえておくことが、失敗を防ぐ鍵となります。

以下では、キャラクタービジネスで陥りがちな落とし穴と、その回避策を3つの観点から解説します。

法務面:著作権・ライセンス管理の徹底

キャラクターやコンテンツは知的財産であり、使用には明確なルールが必要です。使用料の設定や宣材利用の範囲、外部との契約条件などを事前に定めておくことで、トラブルを防ぎ、安定した展開が可能になります。

ブランド面:過度な収益化の回避

収益化だけでなく、ファン心理への配慮が不可欠です。露出のしすぎや安易な商品化は、ブランドイメージの毀損につながるため、バランスの取れた展開が求められます。

運用面:質と体制の設計

コンテンツは、頻度だけでなく質が重要です。価値ある情報を適切なタイミングで届けるには、マーケティングやユーザー理解に基づいた設計が必要です。
そのためには、コンテンツの作成・運用に関するノウハウが欠かせません。社内の専門部署との連携や、外部パートナーの活用も有効です。
また、初期費用を抑えられる一方で、運用やメンテナンスには一定のコストが発生するため、継続的に取り組める体制と予算設計が求められます。

さらに、新しいキャラクターやコンテンツは、リリースしただけでは認知されず、成果がすぐに現れるとは限りません。継続的な発信と戦略的な展開によって、徐々に認知度を高めていくことが重要です。

コンテンツビジネスの未来と展望

今後のコンテンツビジネスは、テクノロジーの進化とユーザー層の変化により、さらに多様化が進むと予想されます。特に、メタバースやAIキャラクターとの連携、海外展開・多言語対応、Z世代・α世代向け施策、クロスメディア展開などが、重要なトレンドとして注目されています。

こうした多様な接点や体験価値の創出において、キャラクターの魅力を視覚的に伝えるフォトソリューションは、ファンとの関係構築において非常に効果的です。

また、キャラクター以外のIPも、ビジネス展開の幅を広げる重要な要素です。映像作品、音楽、書籍・マンガ、ゲームなどは、それぞれ異なる収益モデルを持ち、クロスメディア展開やファン層の拡大に貢献します。これらのIPとキャラクターを組み合わせることで、より多面的なブランド体験の提供が可能になります。

DNPでは、こうしたトレンドに対応するため、コンテンツ(IP)の魅力を最大限に活かすために複合的に展開できるフォトソリューションを提供しています。

ひとつのコンテンツをさまざまなフォトサービスに展開したイメージ

これらのソリューションは単体でも効果的ですが、組み合わせることで、より高い集客力・話題性・収益性を実現できます。

製品・サービスの販売元

  • ※写Goo! 、コンテンツラッシュ、Imaging Mallは、DNP大日本印刷の登録商標です。

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