石材代替の新しい選択肢!豊富な石目柄を持つ「アートテック」
建物の外装において、高級感や重厚感の演出や、地球環境への配慮をアピールする上で効果的な建材に石材があります。人類の建造物を長らく支えてきた石材は、現在でも世界中で親しまれる重要な建材です。ただし、耐久性やメンテナンス性、コストなどの面での課題があることも事実で、自然素材ならではの課題を解決できる代替建材を求める声も多くあります。
今回は、石材の魅力や課題について解説するとともに、石材に代わる建材として注目の「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」をご紹介します。「石材の美しさを活かしつつ、重量やコストの課題を解決したい」「メンテナンスフリーで、長く美しい外観を保ちたい」と考える方は、ぜひ参考にしてください。
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石材のメリットとデメリット
石造建築のイメージ |
石材は、自然素材であるがゆえに、色合いや模様にひとつとして同じものがありません。そのため、唯一無二のデザインを作り出す、効果的な建材といえます。また、耐久性にも優れ、建物に重厚感と高級感をもたらすため、古くから採用されてきました。
一方で、重量の重さゆえに施工コストが高くなる、加工が難しいなど、建材としての課題も少なくありません。ここでは、石材を建材として利用する際のメリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット|「悠久の歴史」と「美しさ」を物語る素材
ヨーロッパの石づくりの街並みのイメージ |
石材のメリットは、火災などの災害に強く、建物を長く守り続ける耐久性にあります。耐久性があるということは、建物の美しさも維持し続けられる建材だといえるでしょう。
例えば、ヨーロッパには、古くから石づくりの建物が多くあります。その理由は、厳しい寒さをしのぐため、外敵から身を守るためなどと考えられています。数百年前に建てられた石造建築が今もなお美しい姿を保ち続け、世界遺産などに登録されているという事実は、石材の耐久性が優れていることの証明といえるでしょう。
また、石材は、建物に高級感や重厚感を与える建材としても多く採用されています。日本では、1936年に完成した国会議事堂や1896年に完成した日本銀行本館が、今なお現役で重厚感のある佇まい(たたずまい)を見せています。滑らかな鏡面仕上げや凹凸による独特の質感は、他の素材では得られない美しさです。
現代建築においても、石材の特長はさまざまな場面で活かされています。例えば、高層ビルの外壁や商業施設の床、ホテルのロビーなど、高級感や重厚感を演出したい空間に多く採用されています。また、近年では、石材の持つ自然な風合いを活かした住宅や店舗も増えました。
デメリット|重量と加工の難しさから来るコスト高
石材の耐久性は、密度が高く重量があることに起因しており、その特徴は建材として使用する上でのデメリットにもなります。運搬時や高所での施工時には、石材の重量を支えるための重機や大掛かりな補強が必要となる場合があり、施工期間が長くなる傾向あります。
また、加工が難しく、時間がかかる点も石材のデメリットです。石材は、木材や鉄骨に比べて引っ張り強度や曲げ強度が小さく、加工時にかかるひずみに弱いことが要因です。
このように、石材は、素材自体の価格に加え、加工費、運搬費、長い工期による費用の増加など、コスト高になりやすい建材であるといえます。
石材の課題は、コスト面以外にも存在します。石材は、吸水性が高く、シミや変色、エフロレッセンス(白華現象)といったトラブルが発生しやすい素材です。エフロレッセンスとは、水分に溶けた水酸化カルシウムが石材から染み出て表面で結晶化する現象のことで、美観と耐久性に影響します。また、石材として使用される石種のなかには、酸性物質に弱いものもあり、建築する場所によって石種の選択に制約がかかることがあります。
【自然の造形美】印刷技術でリアルな石目を表現する「アートテック」
アートテックの石目柄シリーズ |
石材の魅力を活かしながら課題を解決できる建材として注目を集めているのが、DNPの内・外装焼付印刷アルミパネル「アートテック」です。アートテックは、高精細な印刷技術によって、大理石や御影石などの質感を忠実に再現したアルミ内外装建材です。重量やコストの問題で石材の採用を諦めていた建物にも、新たな可能性をもたらします。
美しさと機能性を両立|高メンテナンス性で長寿命
上海万都ビルの外観 |
アートテックは美しさと機能性を両立し、高いメンテナンス性で建物の長寿命化を実現する優れた建材です。
住宅建材に長年携わってきた職人がこだわったリアルな石目表現は、外壁材や景観に合わせた細かな色調整が可能です。酸や水に弱く、屋外での使用が難しい石灰質の石種の質感も表現できます。
また、フッ素塗料による焼付印刷を採用しており、傷やはがれに強いことも、アートテックの特徴です。屋外でも長期間にわたり竣工時の美観を保持できるため、メンテナンス費用の軽減にも効果を発揮します。
例えば、1999年に竣工した「上海万都ビル
」では、1~4階までの外装に本物の赤御影石を、5階以上には赤御影石柄のアートテックを採用しました。軽量化と赤御影石特有の風合いを両立したこのビルは、25年以上経った現在でも美観を維持し続けています。
施工性とコストパフォーマンス|軽量・簡単施工で工期短縮
アートテックはアルミ製の建材で、軽量でありながら高い強度を持ちます。これは、石材が抱える重量の重さと、それ故の加工性の難しさや高コストといったデメリットの解消を意味します。アルミ製であれば、高階層への設置に重機や大掛かりな補強が必要なく、容易かつ安全に行えるので、施工コストの削減と工期の大幅な短縮に貢献するでしょう。
デザインカスタマイズ性が高いことも、アルミパネルの特徴です。多彩な質感、さまざまな形状に加工できるため、内外装に対する多様なニーズに対応できるでしょう。アルミは金属でありながら加工しやすく切削性が良く、他の金属より加工時間が短く済む点もメリットといえます。
【次世代ストーンデザイン】石目柄のアートテック事例紹介
アートテックの石目柄は、大理石柄・玄昌石(げんしょうせき)柄をはじめ、コンブリアストーン・ジュライエロー・オニキスなど多様な柄を再現可能です。それぞれの石目の持つ風合いを活かして、さまざまな建物に採用されています。
ここからは、石目柄のアートテックを採用した建物の事例をご紹介します。
ヴァントヌーベル代々木
ヴァントヌーベル代々木の外観 |
2017年に竣工したヴァントヌーベル代々木
は、都会のにぎわいと豊かな緑が隣接する山手線内にある高級分譲マンションです。
洗練されたラグジュアリーなイメージをコンセプトとした建物にふさわしい、アートテックと一般焼付ボーダーの組合せで、高級感を演出しています。1、2階部分の外装に石目調と金属調をかけ合わせたオリジナル柄のアートテックを採用しました。
住戸内に使われている石貼りの壁や、落ち着いた色調のタイルのデザインへと自然につながるように、ブラウン調の落ち着いた外観に仕上がっています。
ダイワロイネットホテル東京京橋PREMIER
ダイワロイネットホテル東京京橋PREMIERのエントランスゲート |
2019年に施工されたダイワロイネットホテル東京京橋PREMIER
では、高さのあるエントランスゲートパネルに石目調のアートテックが採用されています。使われたのは明るい色調のライムストーン柄です。
3階までの高さがあるエントランスゲートは、重厚感のある濃いグレー調の建物のなかでも目をひく、外観のアクセントになっています。アートテックは、石材の代替建材として、石目の再現性だけでなく、軽量化、施工性、耐候性の面でも高く評価されています。
ザ・パークハビオ新宿
ザ・パークハビオ新宿のエントランスゲート |
2018年施工のザ・パークハビオ新宿
では、エントランス部分に木目柄と石目柄のアートテックが使われています。もともとイタリアの大判タイルを採用予定だったところ、軽量化と安定調達、コストダウンを図るためアートテックへと切り替えてデザインされました。
右壁の壁面には大判タイルをイメージした石目柄のアートテックを、また天井と一部の壁面には木目調のアートテックを採用しています。壁面に反射するライティングの効果を意識したアートアルミで金属感のある仕上がりとなっています。
まとめ
石材は、耐久性と美しさという魅力を持ち、建物に高級感と重厚感を与える一方、重量や加工の難しさ、それに伴う施工コストといった課題も抱えています。一方、アートテックは、このような石材のメリットを活かしつつ、デメリットを克服した建材です。アルミならではの耐久性の高さに加え、軽量で施工性に優れ、石材の質感も忠実に再現可能です。さらに、コスト面でも優れているため、石材の代替建材として大いに注目できる建材といえます。
石材を活用したいけれどその課題を懸念する設計者や建築関係者にとって、アートテックは有力な選択肢となるのではないでしょうか。
【参考】出典元
石材について知って頂きたいこと 株式会社 ケイ・アンド・エス
コンクリートのエフロレッセンス(白華)について コンクリートメディカルセンター
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*2025年3月現在の情報です。
*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。