【大阪・関西万博】バーチャル会場
「きづきの杜」連動ワークショップ開催レポート

DNPは2025年5月、日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」にて、「EXPO 2025 バーチャル万博 ~空飛ぶ夢洲~」で展開する「きづきの杜」*1に登場する重要文化財を題材としたワークショップを開催しました。 題材とした文化財は、《豊国祭礼図屏風》(京都 豊国神社蔵)*2です。400年前の祭りを描いた屏風に触れる体験を通じて、参加者に考える機会(気づき)を提供しました。

背景

DNPは、大阪・関西万博でSTEAM教育家中島さち子氏がプロデューサーを務めるシグネチャープロジェクト「いのちを高める」の「いのちの遊び場 クラゲ館」にゴールドパートナーとして協賛し、万博を契機として、STEAM(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematics)教育及び未来を拓く力を育成する「まなび」の創出をめざしています。
その活動の一つとして、「いのちの遊び場 クラゲ館」の場を活用し、クラゲ館の来場者を対象にワークショップを開催しました。

  • 「いのちの遊び場 クラゲ館」のワークショップについて
    万博会期中、「いのちの遊び場 クラゲ館」 では、「他者との交流でいのちを互いに高め、自らの問いを見つけ、多様ないのちの創造性をひらく体験」をコンセプトに、国内外の教育機関、企業、団体などがさまざまなワークショップを実施しています。

ワークショップ実施概要

タイトル 400年前のお祭りにタイムスリップ!
~お祭り行くけど、君は何を着ていく?~
実施場所 大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン
「いのちの遊び場 クラゲ館」地上(いのちのゆらぎ場)
実施日時 5月16日(金)10:30~13:00 / 13:30~15:30
対象者 クラゲ館来場者
題材 重要文化財 《豊国祭礼図屏風》(京都 豊国神社蔵)

体験内容

ワークショップでは、400年前の祭礼の様子が描かれた重要文化財の屏風に触れる3つの体験を通じて考える機会(気づき)を提供しました。

体験①:オリジナルの衣装を創作し、お祭りに参加

400年前の祭礼の様子が描かれた《豊国祭礼図屏風》に登場する人物を切り出したシールに色を塗り、自身が参加したいお祭りのシーンにシールを貼る創作体験を提供。

体験②:重要文化財《豊国祭礼図屏風》の高精細複製 伝匠美®*3を鑑賞

《豊国祭礼図屏風》の高精細複製を間近で鑑賞する機会を提供。解説者や参加者との対話や自身の創作体験とを重ね合わせて、想像を広げる機会を創出。

体験③:バーチャル万博 「きづきの杜」を散策

バーチャル会場「きづきの杜」での《豊国祭礼図屛風》のシーンを体感し、実際の屏風の鑑賞体験を拡張したバーチャル体験ならではの気づきを提供。

当日の様子

当日は、クラゲ館の来場者900人以上が参加。現地に設置した高精細複製を鑑賞し、シールに描かれた登場人物を探したり、豊国神社の権禰宜(ごんねぎ)大島さんと対話するなど、それぞれの形で重要文化財を身近に感じる機会となりました。また、参加者一人ひとりの創造性が発揮されたことで、ワークショップ終了時には多彩な表現が集まり、当時のお祭りの熱気をより感じさせるようなパネルが完成しました。

会場全体の様子

バーチャル会場の「きづきの杜」を体験

お祭りに参加する衣装のシールに色を塗る

自分が参加したいシーンを選んで貼る

来場者が創作したシールが貼られたワークショップ終了時のパネル

参加者からは以下のような声が聞かれました。
・細かいところを塗るのが難しかったが、好きな色で表現できてとても楽しかった。
・子供に戻って、久しぶりの塗り絵を楽しめた。
・京都を訪れた際は、豊国神社にも参拝したい。

これからのDNPの取り組みについて

DNPは、大阪・関西万博開会期中、文化財やいきものとの出会いを通じて学びのきっかけとなる気づきを触発する体験ができる「きづきの杜」を活用して、教育関連団体や自治体、民間事業者等と連携し、下記の観点で実証していきます。

  • 探究的、創造的な学びのきっかけとなる気づきを触発する体験設計の実証
  • 学校や地域の枠を超えた交流、及び日本と海外をつなぐ国際交流の実証
  • 学校現場の探究学習におけるバーチャル会場活用のあり方を検討

DNPは、“未来社会の実験場”である大阪・関西万博での取り組みを通じて、多様な企業、団体との共創を拡げ、バーチャル空間の活用や文化・芸術体験の導入等を通じた学び合いを実践し、活力ある未来を創造する人材の育成を実現する事業の創出をめざします。

*1 「きづきの杜」:DNPのバーチャル万博での取組み
DNPは、大阪・関西万博のバーチャル万博で「未来のまなび」をテーマにした「きづきの杜」を提供しています。
森を散策し、文化財やいきものとの出会いを通じて、学びのきっかけとなる「気づき」を触発する体験ができるバーチャル空間です。

「きづきの杜」イメージビジュアル

「きづきの杜」での体験の様子

「きづきの杜」Webサイト
「きづきの杜」バーチャル会場URL (ご利用にはアプリのインストールが必要です)

*2 重要文化財《豊国祭礼図屏風》
豊臣秀吉の七回忌(1604年)に開催された豊国大明神臨時祭礼の模様を描いた作品で、17世紀前半(江戸時代)に作られました。田楽や薪能、神官たちの騎馬行列のほか、京都の上京・下京の町衆たちが風流傘を中心に踊る「風流踊」の様子が描かれています。京都の豊国神社が所蔵する作品です。

豊国神社 Webサイト

*3 伝匠美:文化財の保存と公開の両立に向けた取組み
DNPは文化財の劣化や災害時の損失を最小限に抑え、次世代に継承することを可能にするデジタルアーカイブに取り組んでいます。公開によって多くの人々がアクセスする機会を創出し、教育や研究、地域活性化にも寄与します。
DNP独自の高精細複製「伝匠美®」は高精細デジタル技術と、伝統工芸の技を融合させることで、精緻な再現性と耐久性を両立させた、文化財複製です。

高精細複製「伝匠美」製品詳細ページ

  • 伝匠美は、DNP大日本印刷の登録商標です。
  • 2025年5月現在の内容です。

未来のあたりまえをつくる。®