【大阪・関西万博】「ひらめきぷかぷかラボ Idea Mashup LAB.」 ワークショップ開催レポート

DNPは、ゴールドパートナーとして協賛している2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」において 「未来のまなび」の魅力を高める取り組みの一つとしてワークショップを開催しました。
DNPでは、STEAM教育の知る(探究)とつくる(創造)のサイクルを生み出す分野横断的な学びに着目し、個人や社会の課題解決につなげていく教育プログラムの開発に取り組んでいます。本ワークショップでは、課題解決に必要な技術である「アイデア発想」は、「誰にでもできるもの」だと体感できるDNPオリジナルの手法を提供しました。この手法を使って参加者が未来を考え、課題解決に挑戦した様子をレポートします。(2025年7月公開)

ワークショップ実施の背景

現在、国内外では社会課題の解決に向けて、自ら問いを立て、個性を活かして答えを出す能力が求められています。このため、小学校から高校までの必修科目として総合的な学習(探究)の時間が設けられ、教育現場では個々の興味に基づいた探究学習が重視されています。探究的な学びとは、日常生活や社会の中で自ら課題を見つけ、自分事として解決する主体的な学びです。このような学びは、現代の複雑な社会課題に対処するために必要な柔軟な思考と創造的なアプローチを育むことを目的としています。また、実社会での課題解決に焦点が当てられ、企業との連携による体験学習も増加しています。

社会とつながる探究的な学びが教育現場や実社会でますます重要視される一方で、アイデアを出し、問題を解決するプロセスには課題があります。DNPでは、アイデア発想のスキルは限られた人のものではなく、正解のない時代においては他者とつながって考えることで誰もが持てる「技術」であるという考えのもと、オリジナルのアイデア発想手法を開発しました。本ワークショップ「ひらめきぷかぷかラボ Idea Mashup LAB.」では、社会課題解決をテーマにこのアイデア発想手法の体験を提供しました。

ワークショップ実施概要

タイトル: ひらめきぷかぷかラボ Idea Mashup LAB.
場所  : 大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン 「いのちの遊び場 クラゲ館」地上(いのちのゆらぎ場)
実施日時: 6月15日(日)10:45~13:00/13:30~15:45
対象  : クラゲ館来場者

※「いのちの遊び場 クラゲ館」のワークショップについて
万博会期中、「いのちの遊び場 クラゲ館」 では、「他者との交流でいのちを互いに高め、自らの問いを見つけ、多様ないのちの創造性をひらく体験」をコンセプトに、国内外の教育機関、企業、団体などがさまざまなワークショップを実施しています。

イベントの目的と内容

アイデア発想は、探究的な学びにおける重要な要素です。困りごとと、未来につながる要素を掛け合わせる手法で、楽しく新しいアイデアを生み出すことができることを知ることが、探究型学習の幅を広げます。また、アイデア発想では、他者の力を借りることで、思いもよらない化学反応が生まれることから、他者とつながり、より多様な視点を共有できるよう設計しています。

「ひらめきぷかぷかラボ」は、以下の5つのステップでアイデアを発想します。

1. 課題を選ぶ
みんなの「モヤモヤ」リスト(生活者が感じている課題や社会課題)の中から解決したいものを選ぶ
2. 解決の方向性を決める
アイデアを発想しやすくするための、解決の方向性を示す「アイテム」を受け取る(「おなじことをくりかえすのはもうおしまい!」などの解決の糸口が記載されている)
3. 「カード」の選択
万博会場に展示されている「空飛ぶクルマ」や「人間洗濯機」といったさまざまな技術から一つを選ぶ
4.アイデア創造
「アイテム」と「エキスポカード」の組み合わせから発想して、「モヤモヤ」を解決するアイデアを考える
5.みんなに共有
ひらめいたアイデアは会場に残してみんなに共有し、最後に自分の「モヤモヤ」を書いて次の人に託す

参加者は、これらのステップを通じて実際にアイデアを創出し、他者の困りごとを解決する方法を考え、自分が解決してほしいことを他者に解決してもらう、つながりを持って考える体験をしました。

ワークショップの様子

参加者の声

イベント終了後、参加者から以下のような感想をいただきました。
- 「普段は考えないような視点からアイデアを出すことができ、とても楽しかったです!」
- 「他の参加者の解決アイデアを見て、自分の考えが広がったと感じました。」
- 「アイデアを形にする楽しさを再発見しました。自分でもまた考えてみたいです!」

「ひらめきぷかぷかラボ」によってさまざまな年代の参加者にアイデアを発想し、共有する体験をしていただき、課題解決を考えながら未来へ意識を向ける機会を提供することができました。
ワークショップにご参加いただき、未来をつくるためのアイデア発想にチャレンジしてくださった参加者の皆さまに御礼申し上げます。

これからのDNPの取り組みについて

●今回の「ひらめきぷかぷかラボ Idea Mashup LAB.」の手法をもとにSTEAM教育との接点を社会に広く提供し、新しい学びがもっと身近に体験できる機会を提供していきます。

●高校生の探究学習に活用しながら、社会課題解決に向けて高校生と社会人が学び合うSTEAM型次世代育成プログラムの開発を進めていきます。2025年度夏には、人材育成に課題を感じている多様な業界の企業と協働で実証実験を行うとともに、高等学校等の授業での活用に向けた単元目標設定や評価等の整理を進めます。また、企業向けの研修プログラムとしての提供を2025年度中に開始する予定です。

●家庭・学校以外の第3の場所で、自分らしく学べる「学びのサードプレイス」の共同研究を継続し、未来の学び方をデザインし、広く社会に広げていく活動を進めていきます。



今回のプログラムの説明資料には、読み書き困難のある方にとっても比較的読みやすいと感じる文字の形を追求したじぶんフォントを使用しました。

未来のあたりまえをつくる。®