エスカレーターデザインが空間価値を高める! 重要性やポイント、事例を紹介
エスカレーターは、移動手段としてはもちろんのこと、建物の印象や来訪者の体験価値も左右する重要な要素です。そのため、安全性やメンテナンス性、空間設計や意匠性など多岐にわたる視点での検討が求められます。今回のコラムでは、建物の設計を担当されている方や建築素材をお探しの方に向けて、エスカレーターデザインの重要性や構成要素、求められる機能などを解説します。あわせて、デザインの可能性を広げる「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」も紹介しますので、ぜひご覧ください。
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エスカレーターデザインの重要性
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エスカレーターのイメージ |
エスカレーターとその周辺には、空間全体の雰囲気を決定づける役割があります。これは、来訪者の動線や心理だけでなく、施設のブランドイメージ形成にも深く関わる要素です。まずはエスカレーターデザインの重要性について解説します。
来訪者の体験価値向上と回遊性への貢献
エスカレーターは、利用者に快適な移動体験を提供するとともに、魅力的なデザインによって記憶に残る体験価値も与えます。特に商業施設では、視覚的な誘導効果によって、来訪者の回遊性向上も期待できるでしょう。
例えば、らせん状のスパイラルエスカレーターといった目を引くデザインのエスカレーターは、空間に動きと華やかさをもたらします。「あのエスカレーターに乗ってみたい」という好奇心を刺激することで、来訪者を自然な形で回遊させられるでしょう。回遊性の高まりは、購買意欲の上昇にもつながります。
空間の象徴としての役割
商業施設や公共空間において目にする機会の多いエスカレーターは、空間の「顔」ともなる設備です。そのため、エスカレーターとその周辺のデザインを通じて、施設のアイデンティティを表現することも可能です。
例えば、梅田スカイビルには空中にかかるシースルーエスカレーターがあります。移動そのものがアトラクションとなるようなデザインで、来訪者にインパクトを与えると同時に、空間の象徴的な存在となっています。
エスカレーターの種類と求められる要素
エスカレーターのデザインは、手すり、踏板(ステップ)、側板(スカートガード)、照明などに加え、周辺の壁面や天井など、さまざまな要素によって構成されます。これらの要素の組み合わせ方や、エスカレーターそのものの種類によって、空間の表現は無限に広がります。
空間に合わせたエスカレーターの種類
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動く歩道のイメージ |
エスカレーターにはさまざまな種類があり、設置される場所や目的に合わせて採用されます。
例えば、既存の建物に増設する場合や限られたスペースに設置する場合には、一般的な直進タイプよりも狭いスペースに設置できるタイプが選択されるでしょう。具体的には、スパイラルタイプや省スペースタイプ、一人乗りタイプなどが挙げられます。
また、空港や駅などの移動距離の長い場所では、水平に動く「動く歩道」が設置されることもあります。歩行距離の短縮を目的としており、特に長距離の歩行が難しい利用者にとっては、負担の軽減が期待できるでしょう。
その他にも、途中に水平の踊り場がある中間水平部付きエスカレーター、雨水対策が施された屋外エスカレーターなどが存在します。
素材が織りなす「空間表現」
エスカレーター周辺の素材には、透明感を持つガラス、洗練された輝きのステンレス、温もりある木材、重厚感を持った石材などが採用可能です。それぞれが独特の質感、光沢、色味を持っているので、どの素材を配置するかによって空間の表情を大きく変えられます。
建物のコンセプトに合わせてデザインすることで、単なる移動設備ではなくデザインされた美しい「場」として、存在感を際立たせられます。
照明が演出する空間の雰囲気
明るさの確保や安全性の向上のために重要な照明は、空間の奥行きやドラマチックな雰囲気を演出する役割も持ちます。エスカレーターにおいては、手すりの下やステップの端、側面などに間接照明やLEDを配置することで、幻想的で魅力的な空間を表現することが可能です。
例えば、ステップの一部を透明な素材にして裏から照明を当てれば、踏段が光るエスカレーターになります。このような演出は、来訪者の視線を引きつけ、移動をより楽しい体験に変えるでしょう。
優先度の高い安全性と耐久性
エスカレーターは毎日多くの人が利用する設備のため、安全性が最優先されます。手すりの高さやステップの滑りにくさ、非常停止装置の配置など、さまざまな安全基準を遵守した設計が不可欠です。
また、常に稼働している機械であることから、定期的なメンテナンスが欠かせません。したがって、耐久性の高い素材を選ぶことはもちろん、点検や清掃がしやすい構造であることも重視されます。
エスカレーターの意匠性を向上させるアートテック
DNPの内・外装焼付印刷アルミパネル「アートテック」は、本物の素材と見紛うほどの豊富な意匠表現を可能にするDNP独自の印刷技術と、アルミパネルの高い耐久性・加工性を兼ね備えた建材です。
このアートテックの特徴は、多くの人が利用するエスカレーターに不可欠な高い耐久性と、長期的な美観維持を可能にするメンテナンス性の高さはもちろんのこと、空間のデザイン性向上にも大きく貢献できるでしょう。
アートテックは、木目調や石目調、抽象柄などの多様な柄があり、空間コンセプトに合わせた多様な表現が可能です。エスカレーターの側面や壁面にアートテックを用いることで、コンセプトに合わせた空間づくりを実現できます。
また、軽量で施工性に優れているので、工事期間の短縮も期待できます。
エスカレーターに用いられたアートテックの事例紹介
アートテックがエスカレーター周辺の空間デザインに貢献した、実際の事例を紹介します。
プレミストタワー靱本町
プレミストタワー靱本町(うつぼほんまち)
では、エスカレーター入口のエントランス壁面にアートテックパネルを採用しています。
ゴールド基調のアートテックに三角形の抜き穴とR加工を施し、背面からLEDの光を当てました。光を散りばめたようなデザインが印象的です。約7mの天井高を活かした光の演出は、エスカレーター周辺の空間に重厚感をもたらしています。
また、鉄塗装の代替として、アートテックの軽量性、施工性、省メンテナンス性も評価されています。
枚方T-SITE
蔦屋書店を中心とした文化商業施設である枚方T-SITE
は、シンボルとなっている高さ7mの本棚をはじめとした居心地の良い空間が特徴の施設です。
ここでは、エスカレーター壁面を含む内壁に、ブロンズ調意匠のアートテックが採用されました。レンガ調壁面や書籍棚が立ち並ぶ空間と見事に調和し、柔らかな光沢感と美しい濃淡が上質な空間を演出しています。
カットパネルや曲げ加工も施されており、アートテックの持つ高い加工性が活かされた事例といえるでしょう。
まとめ
エスカレーターは、施設の顔として空間の価値を高め、来訪者に快適さと印象的な体験を提供する重要な要素です。そのため、設置する際には、デザイン性、安全性、メンテナンス性など、総合的な観点からの検討が求められます。
DNPのアルミ外壁材「アートテック」は、その意匠性と耐久性、加工性の高さから、エスカレーター周辺の壁面や側板などでもデザインの可能性を広げる建材として活用されています。機能性と美しさを両立させたいエスカレーター設計においては、ぜひ「アートテック」を選択肢のひとつとして検討してみてください。
【参考】出典元
エスカレーターの不思議(後編)ちょっと変わったエスカレーターとエスカレーターの安全対策 東芝エレベータ
エレベーター・エスカレーターの選び方は?用途に適した種類とメリットを解説 三菱電機ビルソリューションズ株式会社
エスカレーターの構造や決まりについて徹底解説! エレベーター管理のベストパートナー
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*2025年9月現在の情報です。
*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。
