歴史上の「最も優れたリーダーとは?」
~生徒の思考力、オリジナリティ、物事のとらえ方等、学びに向かう力が多面的に可視化される、「みどころキューブ®」を活用した教育実践事例~

かえつ有明中学校(東京都) 中学2年生社会科

DNPでは、「DNPコンテンツインタラクティブシステムみどころキューブ」を学校授業に導入し、探究的な学びに活用していこうという取り組みを推進しています。
本記事でご紹介する事例では、単元で学習した歴史上の人物のうち「最も優れたリーダーは?」という問いを生徒に投げかけ、多角的な視点からその人物が行った政策や人物像について生徒が自由に評価し、「みどころキューブ」上に表現をする授業を実施。その過程においては、生徒たちが主体的に教科書等を駆使して調べ学習を行う姿やグループで協働する姿、オリジナリティあふれる考えを工夫してアウトプットに反映させる姿が見られ、最終発表では多角的なものの見方、独自の歴史観と結びつけた考え方、歴史を現代の社会と結びつけて考える発言も見られました。

作成日:2026年1月19日

授業の概要

実施日 2025年10月2日(木) 、3日(金)、4日(土)、17日(金)、18日(土) 計5日間
対象 私立かえつ有明中学校第2学年2クラス(計70名程度)
教科 社会科
単元 中世 鎌倉時代~室町時代
指導者 遠藤 綾 先生
授業時間数 50分×5コマ
概要 社会科歴史科目の鎌倉~室町時代単元学習後、これまで学習した歴史上の人物のうち「最も優れたリーダーは?」という問いを生徒に投げかけ、ジャパンサーチ上の資料を活用して、その人物の人物像や行った政策についてグループごとに多角的な視点から検討し、導き出した考えを「みどころキューブ」上に表し、発表を行う。
使用教材 教科書、資料集、ワークシート、ICT端末(BYOD*)、
DNPコンテンツインタラクティブシステムみどころキューブ、ジャパンサーチ

*BYOD:生徒自身が所有するデバイスを持ち込んで利用すること。

授業の準備

 ・ 教科書、資料集
 ・ ワークシート
 ・ 評価用ルーブリック
 ・ 振り返りアンケート

 ・ GIGA端末(1人1台または1班1台)
 ・ Wi-Fi環境
 ・ みどころキューブ
 ・ プロジェクター・共有ディスプレイ

優れたリーダーについて検討するためのワークシートを作成し、「みどころキューブ」を扱う前の導入段階で記入をさせた。

©東京国立博物館/京都国立博物館/国立国会図書館/東京大学法学部研究室図書室法制史資料室
あらかじめ準備した「みどころキューブ」の教材。ジャパンサーチから資料を検索して作成。底面は日本地図、たて軸は「高評価~イマイチ」という軸で、歴史上の人物評価ができる基準とした。キューブ側面のテーマを「戦い」「交易」「文化」「ダイバーシティ」として、優れたリーダーを評価する観点として提示した。

授業の流れ

1時間目 導入 ・ 課題の提示、ルーブリック(評価基準)の提示
・ 3~4名1グループでワークシートを検討
・ 「みどころキューブ」の操作説明
2時間目
3時間目
4時間目
調べ学習~分析・まとめ ・ 3~4名1グループのグループワーク
・ 教科書、資料集、インターネット、ChatGPT、ジャパンサーチを活用した調べ学習
・ 「みどころキューブ」上に調べたことや考えたことを追加し、編集
・ 発表準備
・ ルーブリックを参照したセルフチェック
・ ミニ共有会(隣のグループどうしで考えやみどころキューブで工夫した点を相互に発表)
5時間目 発表 ・ 2セッションに分かれて発表(1グループ3分程度)
・ ルーブリックを活用した自己評価・相互評価
・ アンケート ※後日実施

授業の様子

1時間目

単元学習を一通り終えたあとの発展的な学習として授業がスタートしました。先生から提示された問いに対して、グループでワークシートを通じて検討を開始。その後、生徒たちに本授業で「みどころキューブ」を使うことが伝えられました。初めて見る「みどころキューブ」に興味津々の生徒たち。手元の端末で操作し、直感的なUIにはすぐに慣れていました。この「みどころキューブ」を自分たちで作ることを伝えると、戸惑いとワクワク感で教室が少しざわざわとする様子もありました。

  • 先生から授業の目的と問いを提示

  • グループでワークシート上で検討

  • みどころキューブの紹介

2~4時間目

実際に「みどころキューブ」の編集に取り掛かった生徒たち。編集にあたっては、キューブの中に入れられた資料について理解する必要があります。そのため、生徒たちはグループで分担して、教科書・資料集、インターネット、生成AIを活用した調べ学習に熱心に取り組みました。
教材として準備した資料では物足りず、生徒が進んでジャパンサーチを活用して資料探しをする様子も見られました。

  • みどころキューブ制作

主体的な調べ学習、協働的な作業に自然と向かう姿が見られました。

検索機能を駆使し、画像の利用条件にも注意しながら取り組む作業は、情報リテラシー教育にもつながります。

5時間目

最終日には、作成した「みどころキューブ」のコンテンツを表示しながらプレゼンテーションを実施しました。各グループが多面的に歴史を分析し、自らの歴史観を織り交ぜながら考えを発表していました。

同じ課題に取り組みながら、各グループで異なった結論が導き出されており、生徒のオリジナリティが表現されていました。

発表後はルーブリックを活用して取り組みの自己評価・相互評価を実施しました。

得られた効果

アンケート結果から

  • 「知識が増えた」「情報を分析できた」と感じた生徒が多く、可視化によって理解が深まったという意見が見られた。特に「人物同士の関係」「時代ごとの関連性」を立体的に見られた点で生徒から評価を得られた。
  • 「意外な関係性を発見した」「北条政子が強い女性だと知った」など、意外性のある学びを得た回答が多数。歴史を“暗記”ではなく“構造的に理解”できたとの記述が複数あり、学びの深化が見られた。
  • 「他のグループの発表が参考になった」「協力して作業できた」など、協働学習の効果を感じた生徒が多かった。

先生の声

遠藤 綾 先生
歴史の授業は座学になりがちなので、デジタルツールと結びつきは新しいチャレンジ。自分自身の歴史学習の考え方、生徒の学びのとらえ方が変わった。中2にとっては背伸びをした内容だったが、生徒からの評判も良く、前のめりに楽しく学習に入っていけたのはコンテンツの魅力。キューブを使うと、生徒の多面的な物事のとらえ方、オリジナリティ、思考力が見えやすかった。生徒の隠れた歴史の見方・考え方が垣間見えた。

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※みどころキューブは、DNP大日本印刷の登録商標です。

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