愛着が高まれば46%が長期保有したいと回答。BtoC企業が取り組むべき「ファン株主」育成とは
本記事では、BtoC企業の株式を保有する個人投資家500名への独自調査をもとに、株主の愛着や企業理解が購買行動・長期保有意向に与える影響を分析します。注目される「ファン株主」の考え方と、企業が取り組むべき株主コミュニケーションの方向性を解説します。(2026年8月公開)
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目次
調査のねらい
近年、個人株主との関係性強化は、多くの企業にとって重要なテーマとなっています。
なかでもBtoC企業は、株主が投資家であると同時に、自社の商品やサービスを利用する顧客でもあるという特徴があります。そのため企業理解や愛着が深まることで、継続利用や長期保有、さらには周囲への推奨につながる可能性があります。
こうした背景から注目されているのが企業に共感し、継続的に応援してくれる「ファン株主」という考え方です。
そこで本記事では、BtoC企業の株式を保有している個人投資家500名への独自調査をもとに、株主の愛着や企業理解がどのような行動変容につながるのかを分析します。
調査概要
「企業への株式投資による個人投資家の意識・感情変化」に関する調査
【調査期間】2026年5月13日(水)~2026年5月17日(日)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】調査回答時に現在BtoC企業の株式を保有している個人投資家と回答したモニター
【回答数】BtoC企業の株式保有者 500人
【調査機関】株式会社PRIZMA「サクリサ」
45.0%が「商品・サービスを優先購入」 株主化が顧客行動にも影響
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BtoC企業における株主との関係づくりは、単なるIR活動にとどまりません。
株主が商品やサービスの利用者でもある場合、企業への理解や愛着の向上が購買行動にも影響を与える可能性があります。これは、顧客との関係性を深めるマーケティング施策としても注目できるポイントです。
実際に調査では、株式保有後の変化として「商品・サービスを優先的に選ぶようになった」が45.0%、「新商品を試すようになった」が28.6%、「店舗やサービスの利用頻度が増えた」が25.8%となりました。
これらの結果からは、株主が投資家であると同時に顧客でもあるBtoC企業において、株主との関係性強化が購買行動にも影響を与える可能性が示唆されます。また、既存顧客の利用拡大や商品・サービスへの接触機会増加につながる可能性も読み取れます。
個人株主を単なる株主としてではなく、自社の商品やサービスを利用する顧客の一人としてとらえることは、今後の株主コミュニケーションを考える上で重要な視点と言えるでしょう。
44.8%が「開発の裏側」を重視。財務開示を超えたストーリーが鍵に
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企業への理解や愛着を深める上では、財務情報だけでなく、事業の背景やそこで働く人の想いを伝えるコミュニケーションも重要です。特にBtoC企業では、日常的に商品やサービスに触れているからこそ、その裏側にあるストーリーへの関心が高まりやすいと考えられます。
実際に調査では、「商品・サービス開発の裏側がわかる情報発信」が44.8%で最も高い結果となりました。また、「ブランドや企業のストーリー発信」も31.6%となっており、事業や商品に込められた想いへの関心の高さがうかがえます。
背景には、「どのような想いで商品やサービスが生まれたのか」「どのような価値を社会に届けようとしているのか」を知りたいという知的好奇心に加え、企業への理解や共感を深めたいという意識があると考えられます。
また、「株主限定イベントや体験企画」も27.4%の支持を集めており、一方的な情報発信だけでなく、企業とのより深い接点や特別な体験も期待されていることが分かります。
これらの結果から、ファン株主の育成には財務情報だけではなく、企業理解や共感を促すストーリー発信や体験設計が重要であることが示唆されます。
46.0%が「長期保有」したいと回答 愛着が高まるほど、応援意向も高まる
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企業への理解や愛着が深まることは、株主との関係性を強化する上で重要な要素と考えられます。今回の調査でも、その変化は投資行動に関する回答に表れています。
実際に、企業への愛着が高まった場合、「その企業を継続的に応援したいと思う」と回答した人は50.8%、「長期的に株式を保有したいと思う」は46.0%となりました。また、「一時的な株価変動では売却しにくくなる」が20.6%、「周囲におすすめしたくなる」が16.6%という結果も得られています。
これらの結果からは、企業への理解や共感が深まることで、株主の視点が短期的な株価の変動だけではなく、企業の中長期的な成長へ向く可能性があることがうかがえます。
もちろん、長期保有を保証するものではありません。しかし、配当や株主優待だけに依存した関係ではなく、企業との継続的な関係性を構築することが、長期保有意向や応援意向の向上につながる可能性が示された点は注目に値するでしょう。
調査結果から見えたこと
ファン株主育成は、IRとマーケティングをつなぐ取り組み
今回の調査では、
・45.0%が株式保有後に「商品・サービスを優先購入するようになった」と回答
・44.8%が「商品・サービス開発の裏側がわかる情報発信」を効果的な施策として選択
・46.0%が「企業への愛着が高まった場合、長期的に株式を保有したい」と回答
これらの結果から、個人株主との関係性強化は単なるIR施策ではなく、企業理解や愛着の向上を通じて、購買行動や長期保有意向にも影響を与える可能性があることが示唆されます。
特にBtoC企業では、株主が投資家であると同時に顧客でもあります。そのため、株主とのコミュニケーションは、安定株主の形成だけでなく、既存顧客との関係性強化やブランド理解の深化という観点でも重要な意味を持ちます。
企業に求められるのは「継続的な接点」の設計
調査結果からは、株主が求めているのは財務情報だけではないことも見えてきました。
商品・サービス開発の裏側や企業ストーリーへの関心が高かったことからも分かるように、企業理解や共感を深めるための継続的な情報発信や体験機会が求められています。
一方で、多くの企業では株主との接点が株主総会や決算開示に限られており、日常的なコミュニケーションを行う仕組みを十分に持てていないケースも少なくありません。
これからの株主コミュニケーションでは、情報提供だけでなく、企業理解や応援意向を育むための継続的な接点づくりが重要になると考えられます。
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本調査では、株主との関係性強化が購買行動や長期保有意向にも影響する可能性があることが見えてきました。
一方で、
・株主との接点をどう設計するか
・どのようなコンテンツを提供するか
・施策効果をどう評価するか
といった実践面に課題を感じる企業も少なくありません。
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