そのまま電子レンジ調理できる自動蒸通パウチ

DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー®

パウチに自動蒸通機能を付加し、そのまま電子レンジで加熱調理ができる包材です。
高齢化・単身世帯・共働き増加などを背景とした、個食・時短・簡便化ニーズの高まりに応えます。
近年では、中食市場に限らず、外食市場の調理オペレーション改善の施策としても注目されています。
環境配慮の観点から、包材に植物由来の原材料を一部に使用したバイオマテックのフィルムを使用することも可能です。
約30年以上技術開発に取り組んできた幅広い知見と実績で、電子レンジ商品の新規立ち上げから、包装資材・充填までをトータルでサポートします。

目次

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」とは?

動画:DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー (25秒)



そのまま電子レンジ調理できる自動蒸通パウチ

従来の密閉されたパウチは、そのまま電子レンジで加熱することができません。発生した水蒸気の逃げ場がないため、内圧が上昇すると破裂します。

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」は、電子レンジ加熱時に発生する熱と水蒸気の圧力を利用して自動的に水蒸気を逃がす蒸気口を備えています。水蒸気を逃がし破裂を防ぐことで、そのまま電子レンジ調理可能なパウチを実現しています。

DNPは、生活者が安全に、安心して使える製品を目指し、独自のコンバーティング技術*1を駆使した技術革新を進めており、多くの特許技術やノウハウを保有しています。

レトルト殺菌・ボイル殺菌・冷凍等、さまざまな製造・流通条件に対応する製品をラインアップし、電子レンジ調理に適したレシピ開発へのアドバイスなど、電子レンジ商品の新規立ち上げをサポートできる体制を整えています。

*1:「コンバーティング技術」とは・・・
材料の形を変えたり、複合したりする材料加工技術。DNPは、製膜、コーティング、ラミネート、蒸着、賦型、転写、切断・研磨、製袋・成型・製本等、紙やフィルム等の素材の加工技術を磨いている

主な特性・機能

1.安全性

ユーザーの安全を最優先する、開発思想とサポート体制。
電子レンジ調理商品にはやけどや、パウチの転倒、破裂、吹きこぼれ等、さまざまなリスクが存在します。
DNPはユーザーの安全を最優先した開発思想のもとに、さまざまなクライアントの電子レンジ商品の新規立ち上げをサポートしています。

開発プロセスでは、テストと評価をクライアントと協働で進めることで、リスクの低減に努めます。

電子レンジによる過加熱が原因で起こるパウチの穴あきについては、使用材料の工夫により減少させることも可能です。
内容物に合わせて電子レンジに適した調理時間の設定や容量等についてもアドバイスいたします。
ユーザーによる調理ミスをユニバーサルデザイン(UD)で未然に防ぐ等、すでに数多くの安全性に配慮した機能が製品に実装されています。

もちろん、品質保証やトレーサビリティの体制も整えています。適切な開発手順で商品開発をスタートから支え、アフターフォローも欠かしません。

開発の流れを表した図

2.蒸通性

流通時に求められるシール強度と、電子レンジ調理時の自動蒸通機能を両立

保存や輸送等、流通時に求められるシール強度の基準を満たしつつ、電子レンジ調理時には自動的に蒸気が抜けます。

例えば、従来のレトルト食品用パウチに蒸気口を設けただけでは、電子レンジにかけるとシール強度が強すぎて蒸気が抜けず破裂してしまいます。

安全な蒸通性を実現させるためには、適切な使用材料の選定と、仕様、形態、意匠等の特許技術の活用が要求されます。DNPにはさまざまな内容物で培った約30年の設計のノウハウがあります。

さまざまな内容物で培った約30年の経験から、流通時に求められるシール強度と、電子レンジ調理時の自動蒸通機能を両立します。

十分なシール強度と自動蒸通を両立を表す図

3.豊富なラインアップ

充填・包装設備はそのままで、さまざまな殺菌方法や流通温度帯に対応。

レトルト殺菌・ボイル殺菌の製造や常温・チルド・冷凍等のさまざまな流通条件に対応したパッケージのラインアップがあります。
全タイプともに既存の包装設備での充填・包装が可能です。

設備投資などによる市場参入時のハードルを下げ、さまざまな殺菌方法や流通温度帯に対応したラインアップにより、電子レンジ商品開発の立ち上げをサポートします。

<レトルト・ボイル 殺菌食品対応>

<冷凍・チルド食品対応>

詳細については、資料をダウンロードしてご確認ください。

4.バリア性

透明蒸着フィルムでバリア性付与。
おいしさを長続きさせ、廃棄ロスを軽減するためには、パッケージにバリア性が必要不可欠です。

一般的にレトルト殺菌やボイル殺菌された商品にはアルミ箔を使用しますが、もちろんアルミ箔があると電子レンジ調理すると、スパークする恐れがあります。

「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」は、アルミ箔を使用せずに高いバリア性を実現する「DNP透明蒸着フィルム IB-FILM」を使用します。

さらに、環境配慮を進めた「DNP植物由来包材 バイオマテック IB-PETフィルム」も使用できます。例えば一般的なアルミ箔を使用したパウチからの切り替えで、17%ものCO2削減が可能な計算となり、環境負荷の軽減にも貢献できます。*2

*2:スタンドパウチで換算

遮光印刷で内容物の劣化抑制・隠ぺい性を付与。
レトルト食品や冷凍食品等の賞味期間が長い製品や油分の多い食品等は従来アルミ包材やアルミ蒸着包材を用いることで内容物の劣化を防いできましたが、DNPは脱アルミの観点から遮光印刷技術を用いることで課題解決をします。

遮光印刷は金属探知機にも対応でき、必要な遮光レベルに応じたグレードを選択できます。
光線透過率が約10%の遮光グレードと、約1%の高遮光グレードがあります。
遮光グレードは多くのレンジ製品で採用されています。
高遮光グレードはアルミ蒸着フィルムと同等の遮光性を有し、かつ、鮮明な絵柄を表現できます。

<光線透過率グラフ>

5.耐熱性

内容物によっては、食材、調味料、油分、粘度等の影響で、レンジ加熱中に高温になり、パウチに穴が開いて内容物が漏れ出ることがあります。
パウチに耐熱性を付与するには、フィルムを厚くする方法がありますが、DNPでは独自技術により、パウチの厚みをほぼ変えることなく、内容物由来のダメージを軽減し、高出力電子レンジにも対応することが可能です。

主な活用分野・用途

中食市場

高齢化・単身世帯・共働き増加などを背景とした、個食・時短・簡便化ニーズの高まりに応えます。
また、パッケージによる環境配慮が認められ、流通・小売業界プライベートブランドでの採用をはじめとした引き合いが増加しています。

中食市場イメージ

外食市場

近年では、通販事業向けの商品開発や、店内での調理オペレーション改善等に使用されています。

外食市場イメージ

内容物

スープ類・惣菜類・主食類等、幅広い内容物に対応。
・カレー、シチュー、パスタソース等のソース類(粘度が高いもの)
・豚の角煮、もつ煮込み等の煮込み料理(油分が多く、固形物を含むもの)
・どんぶり具材類
・和惣菜、中華惣菜、おつまみ等の惣菜全般
(焼き物、煮物、揚げ物、炒め物、和え物、蒸し物、そのほか)
・麺類、スープ類
・チャーハン、ピラフ等のごはん類

幅広い知見と実績で、レンジ商品の新規立ち上げから、包装資材・充填までをトータルでサポートします。

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