防錆油を使わず錆から守る環境にやさしい透明パッケージ
DNP防錆性フィルム
DNPのハイバリアフィルム技術で、錆の原因となる酸素・水蒸気の透過を防ぎ、長期間保管や長距離輸送において製品を錆(さび)から守ります。防錆紙や従来の防錆フィルムと異なり、透明で中身が見え、製品の使用前に洗浄工程が不要になるのが特長です。
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目次
防錆とは
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金属は空気中の酸素・水と反応し、酸化被膜を生成します。この酸化被膜を錆と言います。 |
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DNP防錆性フィルムは、DNPが開発した高い透明性とバリア性を有する透明蒸着フィルム「IB-FILM ※1」を用いたラミネートフィルムです。 |
※1 DNP透明蒸着フィルム IB-FILM® :DNPが開発した透明蒸着フィルムで高い透明性とバリア性を有することで内容物の劣化を防止します。用途は食品関連、高機能材料関連、エレクトロニクス関連、メディカルヘルス関連等多岐にわたり、20年近い採用実績があります。
製品の特長
特長1:透明で中身が見える
DNP防錆性フィルムは高い透明性を有しているため、内容物が梱包の外から視認することができます。
出荷・受け入れ、税関検査などの際に開梱することなく内容物の確認が可能です。
船舶輸送や航空輸送での輸出入や、港湾倉庫や物流倉庫、工場内での長期保管において利便性の高いフィルムです。
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特長2:防錆性能
DNP防錆性フィルムは、優れたガスバリア性能により、錆の主要因である酸素と水蒸気の侵入をブロックすることで製品を錆から防ぎます。そのため、防錆性能はガスバリア性能によって決まります。
DNP防錆性フィルムは、世界最高水準のバリア性能を有した透明蒸着フィルム「IB-FILM 」によって構成されているため、バリア包装タイプの防錆フィルムの中では高い防錆機能を有しております。また、ガスバリア性による防錆機能のため、対象製品の金属の種類や使用環境の温度に関係なく、安定した防錆機能を発揮します。
当社製品をご検討の際は、必要に応じて、お客さまの製品を用いた保管試験、輸送試験を行い、実際に防錆効果が発揮されているかをお客さまと一緒に検証します。
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特長3:環境にやさしい
従来の防錆方法では、防錆油を金属製品の表面全体に塗布することで、錆の発生要因から保護する方法が一般的でした。塗布された防錆油は、製品の使用前に脱脂作業を行わなければならず、脱脂剤などの廃液が出てしまいます。この廃液は、水と一緒に流すことになるため、環境に影響を与えてしまう一因となる可能性がありました。
気化性防錆剤や防錆油を使用せず、バリアフィルムのガスバリア性によって防錆機能を発揮するため、製品にフィルム由来の添加剤や油が付着せず、脱脂や洗浄は不要です。工数削減に寄与するとともに環境に優しい製品と言えます。
また、「DNP植物由来包材バイオマテック※2」を使用すると、石油資源の使用量を削減し、製品のライフサイクル全体でCO2の削減に貢献します。
LCA(ライフサイクルアセスメント)※3の試算も可能ですのでご相談ください。
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※2 DNP植物由来包材 バイオマテック® :サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)を原料の一部に使用して、 石油資源の使用量を削減します。
※3 LCA:製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法で環境負荷をより包括的に把握する手法として注目されています。
特長4:カスタムメイド(受注生産)
お客さまの製品の形状や大きさに応じて、下記のような包装形態をご提案しています。
下記のサイズを最大として、仕様を確認のうえお見積いたします。
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基本的な仕様では、最外層に酸素と水蒸気をブロックするIB-FILM、中間層に外部からの衝撃に対応する保護層フィルム、最内層にシーラントフィルム(接着剤なしに、加熱することで圧着することができるフィルム)を配置した3層構成のラミネートフィルムとなりますが、お客様のご利用目的にマッチした包装材をお作りすることも可能です。
「帯電防止機能を持たせたい」・「吸湿性能を持たせたい」・ 「環境対応の包材がほしい」・ 「クリーン性を持たせたい」・「破れにくくしたい」など、ご要望にあわせて最適な層構成をご提案します。
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特長5:作業効率を向上
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軽く脱気して袋に入れ、密閉することで水蒸気、酸素の侵入を防ぎます。真空脱気や油剤の塗布・乾燥は不要なので、梱包時の作業負荷を軽減します。 |
製品の基本性能
DNP防錆性フィルムの防錆評価試験結果
一般的な金属板(SPCC、冷間圧延鋼板)を用いて、DNP防錆性フィルムと一般ポリエチレン包装材にそれぞれ包装したもの、何も包装していないものを高温高湿条件下で保管試験を実施しました。
試験条件:金属材料(SPCC)を封入、40℃90%RHの高温高湿庫に45週間保管、目視にて錆を評価
※本試験はあくまで実測となり、実際の性能を保証するものではございません。
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45週間経過後、SPCC単体(包装なし)では全面に錆が発生、一般ポリエチレン包装材(バリア無し)では点錆が発生、DNP防錆性フィルムに封入したものは変化なし、という結果でした。
お客様が想定の金属材を用いた実測試験も可能です。実際の効果に興味のある方は気軽にお問合わせください。
さまざまな防錆技術とDNP防錆性フィルムの比較
用途
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自動車部品は、倉庫に保管される場合や海上輸送される場合、長期に渡るケースが多く、製品が錆びないよう対策が必要になります。従来は、防錆油を使用されるケースが多かったのですが、環境負荷の観点から防錆油不使用での納品を求められるケースが増えてきており、防錆油なしで使用可能な防錆包材として、ご利用いただいております。 |
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プリント基板や電子部品、半導体部品は静電気や、湿気による酸化を嫌うため、「帯電防止機能」・「酸化防止機能」という二つの機能があるアルミ袋での包装を行うことが一般的ですが、アルミ袋の場合、開封することなく、中身を確認することが出来ません。 |
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硬くて鋭角な突起のある金属機構部品は、開封の際にケガをする恐れがあるため、透明性の高い防錆包材としてご利用いただいております。 |
ご提案から生産までの流れ
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お問合わせフォーム より、お気軽にご相談ください。営業担当者より、折り返しご連絡差し上げます。 |
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DNP防錆性フィルムは、基本仕様はございますが、カスタムメイドが可能です。フィルムの素材や大きさ、求められるバリア性能など、お客様のご利用目的にマッチした包装材をお作りするため、課題や運用イメージについてヒアリングさせていただきます。 |
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ヒアリング内容をもとに、ご要望にマッチした仕様と価格をご提示いたします。 |
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「無償サンプル」と「有償サンプル」の2種類をご用意しています。 |
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量産仕様にて初回導入を行い、お客様内で問題ないことをご確認頂いた後、本生産を開始します。量産開始後のアフターケアも含めて、しっかりとサポートさせていただきます。 |
オンラインセミナー アーカイブ
2023年8月7日に実施したオンラインセミナー『DNP P&Iセミナー 新しい防錆包装とリサイクルについて』では、日本防錆技術協会の講師で、弁理士でもある土屋 博隆様をお招きしご講演いただきました。また「DNP防錆性フィルム」についてもご紹介しました。こちらから動画がご覧になれます。
動画:DNP P&Iセミナー 新しい防錆包装とリサイクルについて(46分57秒)
【INDEX】
0:50~ 講師紹介
◇新しい防錆包装とリサイクル (土屋様ご講演)
2:50~ 錆のメカニズムと防錆方法
11:40~ 防錆フィルムとは
18:00~ プラスチック容器・包装の環境対応
◇製品紹介/質疑応答
31:45~ DNP防錆性フィルムのご紹介
38:15~ 質疑応答
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- 【講師:土屋博隆様プロフィール】
1978年DNP入社。一貫して包装材料の加工技術及び新規包装材料の開発に従事、具体的にはフレキシブル包装材料・液体紙容器・透明蒸着等の開発やフレキシブルパッケージのLCA評価を行った。この間1998~2004年は包装研究所所長を務める。
2015年退社後、日本包装コンサルタント協会に入会、2016年弁理士登録を行い現在弁理士として特許関連業務を行いながら、日本防錆技術協会の講師として講演や各種包装関連講習会の講演を精力的に行っている。
資料ダウンロード
ダウンロード資料にてDNP防錆性フィルムの効果や包装形状・最大サイズ等を紹介しています。
・錆(さび)が発生しやすい環境
・錆の実例
・錆の要因(水分、酸素)を抑制する「防錆包装」
・DNP防錆性フィルムとは
・バリア包装による水分侵入変化/湿度定量検証
・DNP防錆性フィルムとさまざまな防錆技術との比較
・DNP防錆性フィルムの導入事例
等、詳細情報がご確認いただけます。
是非以下よりダウンロードしてください。(PDF形式 16ページ)
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お客様の製品・部品、包装方法、保管・輸送条件に応じた形状提案、見積が可能です。 DNP防錆性フィルムに関する各種データ提供や、DNPのフィルムによるお客様製品・部品での防錆試験も可能ですので、ぜひ気軽にお問合わせください。
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ダウンロード資料にてDNP防錆性フィルムの効果や包装形状・最大サイズ、導入事例等を紹介しています。当製品に興味のある方はダウンロードください。