運転前の運転免許証や酒気帯びの確認を見逃すと
運転者だけでなく、企業も罰せられる
~(白ナンバー)編~

自動車を運転する前の安全確認は、運転免許証(以下、「免許証」)の携帯や、飲酒の有無はもちろんですが、実は、“うっかり失効(有効期限切れに気づかなかった)”や”二日酔い(昨晩のお酒が残っているケース)“など、意図せず違反※をしていることがあります。
交通違反などは運転前に安全運転管理規程で定めた運用ルールを実施することでリスクを抑えることができます。これを徹底せず社用車を運転中に交通違反などで捕まった場合は、運転していた社員と企業(安全運転管理者)が罰せられます。
目視ではなくシステムで管理することによって、免許証の有効期限切れ、二日酔いなどの“つい”、“うっかり”、“大丈夫だろう”を防止します。

※意図せず起きる違反とは…うっかり失効、二日酔い、免許条件違反(無資格運転)など

見落としがちな免許証の有効期限と二日酔い(酒気帯び)

有効期限を過ぎた免許証で運転をすると無免許運転となります。
普段、免許証の有効期限を意識せず、通知はがき(「運転免許証通信連絡書」)などで初めて知る方も多いかと思います。
また企業の免許証の管理担当者も免許証の有効期限が“平成35年”の場合、令和では何年か分からなくなり、失効を見落としてしまうリスクがあります。
会社で社用車を運転する場合などは、運転前に管理者が免許証の所持や有効期限、アルコールなどを確認しているためチェック漏れは回避できますが、目視のため”確認漏れ”や“大丈夫だろう”といった双方の気の緩みで必要なチェックを漏らしてしまうことがあります。社用車を運転中、違反や事故で免許証の不所持や有効期限切れ、ましてや飲酒などが発覚した場合は重大な罰則があります。また、罰則は運転者だけでなく、管理する企業にも課せられます。

安全運転管理者の選任

一定の車両を有する企業は安全運転管理者を選任し運転者の管理、安全運転の指導や確保、車両の管理等が義務付けられています。運転前の免許証の確認やアルコールチェックは社用車を所有する企業では当然実施しなければならない業務となります。
安全運転管理者等は以下の7つの項目についてその業務を遂行しなくてはなりません。

安全運転管理者の業務内容※

※【参考、引用】道路交通法施行規則  第9条の10

従業員による事故の損害賠償は、使用者(車両の所有者)にも責任が課せられる

民法 第715条では、業務中に従業員が(運転免許証を所有する従業員で、会社が業務車両の運転を許可した者)が社用車で事故を起こした場合の損害賠償責任は、運転者だけではなく使用者(車両の所有者)である会社にも課せられるとしています※。
運転していた従業員は当然被害者に対して損害賠償責任を負わなければなりません。ただ、業務中の事故であれば、従業員のみが全ての責任を負うのではなく、会社もまた「使用者責任」つまり使用者としての賠償責任を負うことになります。他にも「運行供用者責任」があり、事業のために自動車を運行させて利益を得る者のことで、運行供用者(企業)は、直接自分が起こした事故でなくても賠償責任を負うことになります。

※【参考】民法  第715条

自動車の使用者※の義務と罰則

【参考】道路交通法  第75条(義務)、第117条(罰則)
※「自動車の使用者」とは、車検証の「使用者」欄に記載がある者を指します。社有車などの場合は、「法人名」であることが一般的です。

道路交通法 第75条(自動車の使用者の義務等) ※一部略
自動車の使用者(案全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。)は、その者の業務に関し、自動車の運転に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
1.運転免許を受けている者でなければ運転することができないとされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(※無免許のこと)が運転すること。


道路交通法 第117条(第75条の罰則)

条文番号 罰則対象 違反内容 罰則内容
道路交通法第117条の4の3 車両使用者(会社などの代表者や安全運転管理者) 無免許運転容認 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
道路交通法第117条の2の2 車両使用者(会社などの代表者や安全運転管理者) 違反者への車両提供 3年以下の懲役又は50万以下の罰金
※運転者と同じく最長2年間は免許の取得ができなくなる場合もあります。

安全運転は運転前のチェックから!

無免許運転(不携帯、有効期限切れ、無資格、偽造)、飲酒運転を見逃すと社会的な信用が失墜します。リスクは常に潜んでいます。
・“うっかり”免許証の有効期限が切れていた。
・お酒を飲んでも時間をおいたから大丈夫“だろう”。
・お酒を飲んでも自分は運転できそうだから他人もできる“だろう”。
こんな気の緩みや自分勝手な判断で車を運転すると運転者だけではなく会社も大きな損失を被ることになります。安全運転は運転する前、運転させる前に厳正に管理しなければなりません。

無免許運転とは…

  • 運転免許証の有効期限切れ“うっかり”更新を忘れ、使用期限が切れている場合。
  • 免許証を持っていない運転免許証を取得したことがない、失効中・免停中の人が車両を運転してしまった場合。
  • 運転資格のない車両を運転した普通免許証の条件で準中型の車両を運転した場合。平成29年3月12日以降に準中型免許が施行され、それ以前に普通免許証を取得した人とでは運転できる車両が異なります。・平成19(2007)年6月1日以前に取得:中型8t未満限定・平成29(2017)年3月11日以前に取得:準中型5t未満限定・平成29(2017)年3月12日以降に取得:普通(3.5t未満)

2017(平成29)年の準中型免許新設後の免許区分と各免許取得者が運転可能な車両

2017(平成29)年の準中型免許新設後の免許区分と各免許取得者が運転可能な車両

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