AIドラレコとは?AIドラレコに変わる次世代の予防的運行安全管理「スリープバスター」

社用車・公用車における事故リスク低減のため、AIドラレコなどの導入が進む一方で、これらは事故直前の「最後の砦」にすぎません。重大事故の原因となる疲労・眠気は、「無自覚な疲労」として進行しており、予防的対策こそが不可欠です。本コラムでは、DNPアイディーシステム(IDS)の提供する「スリープバスター」が、従来のソリューションとは一線を画し、体の内側の予兆を捉えて早期に介入するメカニズムを、他のソリューションと比較しながら解説します。
(2025年12月時点情報)

1.従来の安全装置、AIドラレコとは

社用車・公用車を運用する企業にとって、居眠り運転による事故リスクの低減は、企業の信頼と存続に関わる重大な経営課題です。近年、AI搭載型ドライブレコーダー(AIドラレコ)や後付けアラートデバイスといった先進の安全装置の導入が進んでいます。これらは、ドライバーの顔の動きや車線逸脱といった外形的な変化を捉えることで、事故が顕在化し始めた時に介入する「最後の砦」としての役割を果たします。しかし、重大事故につながる眠気や疲労は、ドライバー自身も気付かない「無自覚の疲労」の段階から進行しています。「最後の砦」が発動するタイミングは、すでに回避行動を取るための猶予がわずかしか残されていない段階です。安全管理のレベルを真に引き上げるためには、この「見えない変化」を捉え、行動に表れる前の予兆段階で介入する「予防的対策」が不可欠となります。

参考:国土交通省中部運輸局「居眠り運転等の防止」

2.従来の安全装置とスリープバスターの決定的な違い

スリープバスター/ドライブリズムマスター(以下、スリープバスター)の最大の特徴は、従来の装置とは異なるリスク検知のメカニズムにあります。従来の装置が、画像認識などにより「見える変化」(視線、車体の挙動など)に対処するのに対し、スリープバスターは、シートに内蔵された専用センサーにより、運転者の体の内側から発生する微細な変化を非接触型で継続的にモニタリングします。心臓の鼓動や血流の変動(体表脈波)から自律神経の動きを推定し、ドライバーの「自覚できない体調変化の予兆」を客観的に把握できるのです。
この技術的な差別化により、スリープバスターは、ドライバーが「まだ大丈夫」と思っている段階で、生理学的な初期変化を捉え、警告を発することを可能にします。これにより、事故回避の確率を根本から向上させる「予防層」の役割を担うことができます。

3.スリープバスター独自のロジック「入眠予兆現象」による早期介入

スリープバスターは、独自の警告ロジックにより、疲労や眠気が臨界点に達する前に介入します。ドライバーの身体は、疲労や眠気に対して集中力を維持しよう、覚醒しようと「回復させるリズム」を刻みます。特にこの力が強く働いている状態を捉え、これを「入眠予兆現象」として警告します。
この入眠予兆現象を捉えたとき、システムは、体調を整えるタイミングを知らせるために画面と音声で「疲労度」や「居眠りの可能性」を警告します。実際に導入いただいたドライバー様からは、「眠気がこなくてよい」「通知が出た時、体をほぐす等し、眠気防止等につながる」といった声が寄せられており、居眠り状態へ入る前に覚醒を促す効果を実感されています。また、軽微な状態変化をきめ細かく警告するため、「画面や音声の変化が出る度に運転に集中して危険を回避できる」といったフィードバックもあり、高い予防効果を発揮しています。

スリープバスター/ドライブリズムマスター

居眠り運転警告装置「スリープバスター/ドライブリズムマスター」は、シートに座ることでドライバーの体調変化をモニタリングします。居眠りなどヒューマンエラーにつながる体調変化の兆しを把握し、安全運転をサポートする製品です。自覚または自覚できていない体の状態の小さな変化に着目したバイタルセンシング技術により、外見や動きだけでは判断できないリスクに先回りして対応できます。
体の小さな変化を検知し、ヒューマンエラーの兆候に早期対応できるよう開発された装置です。

※本製品は株式会社デルタツーリングの製品です。DNPアイディーシステムは、スリープバスター/ドライブリズムマスターを取り扱う販売店です。

4.従来の安全装置とスリープバスターの機能比較

スリープバスターが従来のソリューション群とどのように共存し、優位性を発揮するかを以下の表で明確にします。この比較は、社用車・公用車の管理者が安全投資を行う際の優先順位を決定する際、参考にしていただけます。

評価軸 (Evaluation Axis) スリープバスター (Sleep Buster) AI搭載型法人向けドラレコ (AI DRs) 後付け型アラートデバイス
検知対象 自覚できない体の内側の変化(疲労予兆) 見える変化(視線、顔向き、車線逸脱) 見える変化(瞼の動き、物理的振動など)
警告タイミング 予兆段階(眠気が生じる前)での早期警告 行動発生直前・直後(最後の砦) 行動発生直前・直後
目的 予防、健康配慮、行動変容促進 事故回避、運行指導、証拠保全 事故回避
測定方法 非拘束型バイタルセンシング(座面設置) 画像認識(カメラ)/車両データ 画像認識または物理センサー

この比較から明らかなように、スリープバスターは、他の製品がカバーできない「予防層」の空白地帯を埋める役割を果たします。従来の装置は「事故を回避」するためのものでしたが、スリープバスターは「リスク発生確率そのものを低減」させるためのツールなのです。

参考:警察庁ホームページ「安全運転管理者の業務の拡充等」

5.まとめ:IDSが提供するトータルソリューション

DNPアイディーシステムは、居眠り運転対策を単なるデバイスの導入で終わらせません。運行安全管理全体をカバーするための、統合的なトータルソリューションとして提供しています。その中核となるのが、法令遵守を担保する「DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3)」です。VD-3は、アルコール検知器とのデータ連携や免許証確認を強制し、これらのチェックを正常に完了しなければ社用車・公用車の鍵を取り出せない物理的アクセス制御を確立します。飲んだら運転できない仕組みを構築します。

DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)

運転者がアルコールチェックおよび免許証の確認を完了しないと、車両の鍵を取り出せない仕組みを採用しているため、チェック漏れを防ぎ、厳格なチェックを徹底することができます。
免許証は、専用のハード(ICリーダー)にかざすだけで、免許証の不携帯/有効期限切れを確認できます。
車両マスタには車検満了日や車格を登録できます。車検満了日を過ぎている車両を選択した場合は点呼結果がNGとなるため、車両の鍵が取り出せません。車両を選択する際、自分の運転資格に合った車両しかプルダウンに表示されないため、自分の運転資格を逸脱した車両を誤って選ぶことを防ぎます。
一連のフローで、免許証チェック、アルコールチェック、車両鍵の受け渡しが行えます。

IDSは、このVD-3とスリープバスターの2つの製品を提供することで、「アルコールチェックから鍵の取り出し(VD-3)、そして運行中の体調管理まで(スリープバスター)」を一貫してサポートする強固な安全管理体制を実現します。
スリープバスターは、AIドラレコなどの「最後の砦」の出番を最大限なくすための、最も効率的かつ効果的な「予防的ドライバーヘルスモニタリング」ソリューションです。IDSの統合ソリューションを通じて、貴社の社用車・公用車管理における人的リスクを根本から低減させることを推奨します。

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