マテリアリティの特定プロセス

マテリアリティの特定にあたっては、「環境・社会・経済」関連の社会課題やメガトレンド等を網羅的に把握し、自社事業活動への影響や提供できる価値、自社の強みなどから、中長期的なリスク(変動要素)と事業への影響を評価・分析しています。これらの外部動向を踏まえ、DNPがめざす4つの社会を具体化し、その実現に向けて、DNPがすべきこと、提供する価値を整理し、マテリアリティとして特定しました。

マテリアリティの特定プロセス

  • 社会課題の把握
    市場の変化やメガトレンド、各ステークホルダーにおける重要性、SDGsやGRIスタンダード、
    ESG社会評価項目などの国際的枠組み等から社会課題を網羅的に把握

    関係するステークホルダー

    従業員、地域社会、ビジネスパートナー、
    株主・投資家、
    教育・研究機関、NPO・NGO・各種団体 など

    考慮する国際的枠組み

    SDGs、GRIスタンダード、SASBスタンダード、
    国連グローバル・コンパクト、TCFD、TNFD、
    国連ビジネスと人権に関する指導原則 など

  • 社会課題の特定
    ・優先順位付け
    企業理念・事業戦略との関連性、短・中・長期的なリスクと機会の特定、経営への影響評価を踏まえ、
    DNPが「より良い未来」としてめざす4つの社会を具体化し、その実現に向けて
    DNPがすべきこと、提供する価値を整理
  • マテリアリティの特定
    社内関連部門、外部有識者、社外役員との意見交換を実施。サステナビリティ推進委員会、経営会議、
    取締役会での議論・承認を経て、DNPグループのマテリアリティとして特定

マテリアリティに基づく事業活動

マテリアリティに基づく事業活動として、DNP独自の「P&I」(印刷と情報)の強みの進化・深耕により、注力事業領域を中心に、横断的に新しい価値の創出を進めています。同時に、企業価値向上と事業競争力強化の両面で、経営基盤の強化とリスクマネジメントの徹底を図り、マイナスの影響を最小化しています。

リスク・機会の特定

DNPは、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしは、サステナブルな地球の上でこそ成り立つと考えています。近年、環境・社会・経済の急激な変化が経営に多様な影響を及ぼすなか、DNPはこれらの変動要因を的確に捉え、リスクを評価するとともに、中長期的な経営戦略に反映させることが重要であると認識しています。さらに、変化を先取りして自ら変革を起こし、リスクをビジネスチャンスへと転換することで、企業としての持続可能性と社会全体の持続可能性の両立をめざしています。

この図表は、経済関連・社会関連・環境関連の3つの変動要因がDNPグループの事業活動に与える影響を、リスクと機会で整理しています。経済関連の変動要因は、技術動向関連としてDX、AI、セキュリティ、経済活動関連としてグローバル化、地政学的リスク、法規制とし、サイバー攻撃やサプライチェーンの混乱などのリスク、業務効率化、新市場の創出といった機会があります。社会関連の変動要因は、人的資本関連として人口動態、人材確保、人権意識、バリューチェーン関連として文化、制度、倫理とし、 人材確保や育成遅延、人権問題といったリスク、人材の最適配置や信頼性強化などの機会があります。環境関連の変動要因は、気候変動、資源、環境規制とし、自然災害や環境対応の遅れによるリスクや、環境配慮製品・サービスの需要拡大といった機会があります。

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マテリアリティの特定

2024年3月、DNPが「より良い未来」としてめざす、それぞれ相互関係にある「4つの社会」の実現に向けて、優先的に解決する重要課題として「マテリアリティ」を特定しました。
このマテリアリティに基づき、事業活動における重要課題として、グローバルかつ長期的な視点で、創出する価値の優先項目を定めています。
また、企業価値向上と競争力強化を両立させるため、経営基盤の強化とリスクマネジメントの徹底にも取り組み、潜在的なマイナス影響の最小化を図っています。

この図表は、 DNPがめざす「4つの社会」とそのマテリアリティと、事業活動の関係性を説明しています。マテリアリティに基づき、事業活動における重要課題として創出価値の優先項目を定めており、それらを事業活動に落とし込むにあたり、価値の創出、経営基盤の強化、リスクマネジメントの徹底という3つの活動領域を設定しています。価値の創出は情報セキュア、フォトイメージング、モビリティ、産業用高機能材、デジタルインターフェース、半導体といった6つの関連事業、経営基盤の強化は人的資本・知的資本・環境への取り組み、リスクマネジメントの徹底は公正な事業慣行、人権・労働など7つの重点テーマを設定しています。

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